【生物工学科】生物多様性実習:ネズミ調査
生物工学科では、環境教育として生物多様性実習を実施しています。3年生が対象で、植物の押し葉標本の作製から、昆虫や野ネズミのDNAの分析まで、種や遺伝子レベルの生物多様性について体験してもらっています。これまでも学長室ブログで実習の様子をお伝えしてきました(2021年度、2020年度)。今年は暑くならないうちに野ネズミの調査を行おうということで4月にサンプリングを行いましたので、その様子を生物工学科の佐藤が報告します。
生物工学科17号館のすぐそばにはバイオファームと呼ばれる畑があり、植物栽培実習などで利用されています。その周辺の森に野ネズミたちが住んでいます。小雨の降る中、野ネズミ用のトラップを一晩設置しました。
翌朝、トラップを確認すると、おりましたアカネズミ君です。今年は6頭の捕獲に成功しました。学生からはこんなところにいるんだぁとの感想がありました。家ネズミのハツカネズミやドブネズミは見たことがあっても森のネズミのアカネズミはなかなか見たことがありませんよね。森の維持や害虫の駆除などいろいろな役割を担っているのではないかということを昨年の論文で明らかにしました。
捕獲後は、DNA分析用に組織をサンプリングし、その後、6頭とも採集地点に放ちました。元気に森に帰っていきましたよ。以上の捕獲とサンプリングについては、広島県から許可をもらっています。
4月の野ネズミのサンプリングに引き続き、6月には昆虫のサンプリングを行い、そしてDNA塩基配列を決定する技術を学びます。バイオテクノロジーの中心的な技術です。コロナの影響で有名になったPCRもしっかりと学ぶことができます。このように野生動物のDNA分析技術を学べる実習は多くはありません。皆さんも福山大学生物工学科で学んでみませんか?今後、生態系を社会に組み込むうえで必須の技術です。数十年後の未来の社会を一緒に考えましょう。