【グリーンサイエンス研究センター】第47回GSセミナー においセンサの開発
2020年12月4日(金)の午後3時から4時半まで、生物工学科2階1721教室で『第47回グリーンサイエンスセミナー』を開催しました。 皆様お忙しい中、また新型コロナ禍の中、生命工学部に加えて工学部、薬学部から約30名がご来聴されました(密にならないよう、離れ離れに座っています)。
今回は工学部スマートシステム工学科の仲嶋一教授の世話人で、『嗅覚センシングの実用に向けたにおいセンサの開発』という題で、太陽誘電㈱開発研究所の服部将志さんが講演されました。太陽誘電さんは河川のセンシングなどの分野で本学と協働事業契約を交わしている企業で、スマホなどのコンデンサを主に作っています。
今回のセミナーでは、同社で現在開発中のにおいセンサーについてお話しされ、その原理や用途についてご紹介いただきました。現段階ではにおいの感度は人並みですが、来年には犬並みになり、その後は線虫並みに向上するそうです。
講演後には、持参された2種類のセンサを使って実際ににおいのセンシングをデモンストレーションされました。最初は16チャンネルのセンサー出力を機械学習させて、においの判別をするというものです。パソコン上で、チャンネル信号がリアルタイムで見られますので、センシングしている様子がよくわかりました。
もう一つのセンサは、スマホに取り付けて使うアタッチメント形式のもので、こちらは8チャンネルです。スマホはいろいろなことができますが、においまで測れるというのは軽い衝撃でした。スマホに息を吹きかけると、こちらもリアルタイムでセンシングした出力が確認できます。口臭とかアルコールチェックに使えそう、といったアイデアは誰でも思いつきますね。呼気のにおいから健康状態がモニタ出来る日も近そうです。
セミナー終了後は、教員に加え学生さんたちも講演者を取り囲み色々と質問したり、思いついたアイデアを話したりしていました。こういったところから新たな研究や開発が生まれてくることを切に祈ります。薬学部の大西先生や海洋生物科学科の我如古先生も興味津々のご様子でした。
最後に、グリーンサイエンス研究センターでは毎年3,4回のグリーンサイエンスセミナーを開催していますが、今年は新型コロナの影響で今回が今年初めての開催です。今年は学会も中止になったりオンライン開催がほとんどで、こういったアカデミックなセミナーは非常に久しぶりで新鮮でした。こういったセミナーが気兼ねなくどんどんできる日が待ち遠しいものです。