生命工学部

Faculty of Life Science and Biotechnology

【生物工学科】ネズミを探しに四国まで

【生物工学科】ネズミを探しに四国まで

何をわざわざネズミを四国まで捕まえに行かねばならんのか?おそらく10人のうち8人はそう思うでしょう。でもネズミのDNAには日本列島の歴史が刻まれている、とするならば、その数は6人に減るかもしれません。何の役に立つのか?と言われるかもしれません。それでもいいのです。私たちは知りたいのです。

2017年に本州と四国の一部、そして瀬戸内海 芸予諸島の島々のアカネズミのDNAを調査することで、瀬戸内海の島々のアカネズミのDNAは四国よりも本州に近いことが示唆されました学長室ブログはこちら)。このことは、四国が最初に分かれ、島は本州側から分かれていったことを意味します。その仮説を検証するためにはもっと多くの場所からのサンプルが必要です。先週、生物工学科の卒業研究生たちが愛媛県 西条市でフィールド調査を行いましたので、生物工学科 佐藤がお伝えします。友との別れを惜しみ、見送り(1泊2日)。

2時間ほどかけ目的地に到着。アカネズミのいそうな森を探しました。四国の山々の雰囲気は中国山地とは異なり、森の深さを感じます。とっても豊かな森、山、川。

今回の採集地点はとても急峻で、登るのも下るのもとても気を使いました。大きな木につかまりながら、なんとか2地点にトラップを100台設置。あとは祈るのみです。

翌朝、ドキドキしながらトラップを回収に行くと、やった!アカネズミが待っていました。結局、5頭のアカネズミの捕獲に成功し、卒論の貴重なサンプルとなりました。下の写真はアカネズミのリリースの際の様子。元気に走り去っていきました。

サンプリング成果があり、また非常に良い天気に恵まれ、気持ちの良いフィールド調査でした。DNA分析ではいったいどんな結果が出るのでしょうか?ネズミがいるかどうかトラップをチェックするのと同じくらい実験の結果にはワクワクします。きっと4年生は最初に結果を見て、一瞬でも自分だけしか知らない世界を楽しむことでしょう。それがサイエンスの醍醐味です。高校生の皆さん、大学ってそういうところです。

これまでも、そしてこれからもバイオテクノロジーの時代。生物工学科ではバイオテクノロジーに関する多様な教育・研究を行っています。面白いですよ。<生物工学科 佐藤淳

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