生命工学部

Faculty of Life Science and Biotechnology

【生物工学科】骨は好きですか?

【生物工学科】骨は好きですか?

私たちが考えてデザインできる範疇をはるかに超えています。生き物の骨を見ていると、かくも美しくよくできた形であると感心します。これが数万年、数百万年、はたまた数億年の進化が作り出した最高傑作なのです。私たちは動物の遺体から取り出した骨から体の機能、進化、生態、その他もろもろのことを学んでいかなければなりません。生物工学科佐藤が、学科で今、密かに、そして積極的に進行している骨の活動をご紹介します。

下の写真はシマスカンクMephitis mephitisの頭骨です。スカンクはイタチ科、アライグマ科、レッサーパンダ科に近縁な動物で、食肉目という哺乳類の1グループに所属します(Sato et al., 2009)。食肉目の動物たちは裂肉歯という肉を切り裂く歯を持っていますが、頭骨を作り歯を見ると、よくその構造が分かります。犬歯が発達しているのもご覧の通りです。

さらに下の写真はアカネズミApodemus speciosusです。アカネズミは、私たちの家の周りに出てくるいわゆる家ネズミ(小さいのはハツカネズミで、大きいのはドブネズミ)と同じく齧歯目(げっしもく)の中のネズミ亜科に所属します(佐藤2016)。齧歯類は、その名の通り、齧る(かじる)ための歯を持っており、前方の門歯(切歯)が発達しています。森の中でドングリを齧っているのを想像してしまいます。犬歯はありません。


面白いですよねぇ。生物の生きざまが骨の中に見えてきます。

生物工学科では、研究室に眠る動物の標本から骨格標本を作り、骨について学び始めました。というのも、ある3年生が年度初めに、「ヘビの骨格標本を作りたい!」と部屋にやってきたのが始まりです。積極的な学生の提案って嬉しいじゃないですか。「ヘビはないなー、ネズミならあるよ」ということで、この活動が始まりました。他の生物工学科の学生にも呼び掛けたところ、「面白そう!」と積極的な学生が何名も出てきましたので、せっかくなので様々な動物の骨格標本を作って、今年の秋の三蔵祭で「骨展」を開催することとなりました。その後、因島の調査途中、シマヘビのロードキルを見つけ拾ってきましたので、その3年生に、、、願いは叶うものです。

骨格標本の作り方は簡単です。体の柔らかい部分を、鍋で煮たり、虫の幼虫や某酵素入り入れ歯洗浄剤などを使って、できるだけ取り、最後にオキシドールで漂泊しておしまいです。ネズミは骨が小さいので気を遣うことは多々ありますが、逆に集中力が鍛えられます。

骨格標本なんて生物学に関係する学科じゃないとなかなか作るチャンスはありませんよね。毎週、生物工学科17号館で作業をしていますので、もし興味がある方がいらっしゃればどうぞお越しください(連絡は佐藤まで)。あなたの知らない世界がそこにあるかもしれません。生物工学科豊村助手(海洋生物科学科出身)が魚の透明標本づくり(下の写真)を、私(佐藤)が哺乳類の骨格標本づくり(上の写真)を教えています。

大事ですよ。積極性。骨からいろいろ学びましょう。生物工学科の三蔵祭展示、お楽しみに。

生物工学科オープンキャンパス情報はこちら

この記事をシェアする

トップへ戻る