【生物工学科・海洋生物科学科】因島沿岸生態系調査
因島にある福山大学 付属内海生物資源研究所近くの沿岸には生物多様性豊かな藻場と干潟があります。5月16日(木)に生物工学科 4年生と一緒に、今年本学に着任されたばかりの海洋生物科学科 金子健司教授(下写真)の沿岸生態系調査に同行させていただきました。生物工学科の佐藤がお伝えします。
アマモ場、ガラモ場等の藻場に生息する魚類や餌となる無脊椎動物(ベントスや葉上生物)の調査を行いました。胴まである長靴(胴長)を着て、砕波帯ネットやタモ網による生物の捕獲をするという作業で、生物工学科4年生にとっては初めての経験です。海洋生物科学科の4年生は、海洋生物の密度調査を行う一方、生物工学科の4年生は魚類が何を食べるのかを調べるために胃内容物のDNAを分析します。2学科の4年生が共同で作業するのもなかなか珍しいことで、こういった交流はお互いを刺激し合いとても良いことと思います。福山大学はこのような異分野交流が盛んです。
潮が最も引く干潮時に調査を行います。満潮時に海で満たされている砂地にはアオサやミルなどがたくさん見られます。そこで砂をすくってみると、無脊椎動物がたくさん出てきます。また、海では、ネットを引いてかかった魚類等を調べます。海の中に入るとなかなか波に揺られて腰に来ます。重労働です。
今回、いろいろと生き物を捕獲しましたが、何やら珍しいクラゲを見つけたようです。とにかく海洋生物科学科4年生は海の生き物をよーく知っています。感心しました。生物工学科の4年生は、アマモ場に生息するヨウジウオをたくさん捕獲できたので、胃内容物の調査用に持ち帰りました。持ち帰って分析すると、この生き物、胃内容物調査が難しい!!消化管どこや~っと言いながら魚と格闘しました。でも何とか工夫しながら調査中です。
天気も良く、良い景色を見ながらの調査は、とても気持ちの良いものでした。森のネズミの調査とは一味違った経験をさせていただきました。海洋生物科学科 金子教授、どうもありがとうございました!
持ち帰った魚類からは胃内容物を取り出し、そこからDNAを抽出して次世代シークエンサーを使って、その内容物に含まれている生き物を同定していく予定です。今後、シロギスなどの、もうちょっと大きな魚を取りにまた因島に調査に行きたいと思います。下の写真は次世代シークエンサーMiSeqと生物工学科4年生。バイオテクノロジーX海でした。