【海洋生物科学科】因島大浜での藻場調査
因島にある福山大学 内海生物資源研究所(マリンバイオセンター)前には、ガラモ場とアマモ場という藻類や海草が広がっており、沿岸域の豊かな生物多様性を研究するうえでとても良い場を提供してくれます。今年度で本学を退職する南卓志教授の研究室が藻場調査を行いましたので紹介したいと思います。
今月の大潮に当たる日の干潮時間、朝6時にキャンパスに集合しました。今日は、4年生から3年生への引継ぎということで、比較的多い人数での調査となりました。眠い目をこすりながら胴長を履き、たも網等の生物採集用具を持っていざ海辺へ。海では人のいない静かな朝を過ごしていたアオサギなどの鳥たちが迎えてくれました。
ガラモ場班とアマモ場班に分かれ、沿岸域に生息する魚類、甲殻類等の動物の採集を行いました。今日は曇りでしたが、因島大浜からの朝日はとても綺麗で、良い雰囲気を醸し出しておりました。こんな環境で調査ができるのはうらやましいですね。晴れた日は本当に感動的です。
ガラモ場では魚の稚魚やエビなどが岩場に付着した藻類の間に隠れており、たも網ですくい網をのぞき込むと生き物たちを発見できます。こういう採集はいくつになっても楽しいものです。濁りのない海を眺めるとたまに魚影が見えます。足元で生き物たちが活発に活動しているのです。
釣りと同じで冬の間はなかなか生き物のサンプリングが難しいようですが、それでもスズキ、アミメハギ、カズナギ、ヨウジウオ、タツノオトシゴ、クサフグ、メバルなどの魚類や、イカ、エビ、カニ数種が採れました。3月くらいから、生き物が増えだして、サンプリングが(そして研究が)面白くなってくるようです。
採集後は研究室に帰り、生物の分類と仕分け作業を行います。4年生から3年生へ、分類や仕分けに加えてサンプルの保存方法などの引継ぎがありました。最後に使った用具を片付けてひと段落です。
南研ではこの日を挟み、3日連続の調査で、3月も同じように大潮の干潮時間に調査をするとのことです。
調査後はキャンパスに戻り、食堂でキムチ鍋うどん。寒い中での調査だったのでとてもおいしかったです。朝ごはんを食べていない学生がほとんだったようで、すぐになくなりました。
因島キャンパスのすぐ目の前には、生物多様性豊かな沿岸域が広がっています。どのようなメカニズムでこの生物多様性が維持されているのかと、とても興味深く思いました。その面白さは実際に目で見なければ実感できないことではないかと思います。今回、南研究室の調査に参加させていただき、胴長を履いて、たも網持って、生き物を捕まえて、採集の楽しさを実感したと共に、一人でも多くの皆さんにこういう環境があるのだと教えたくなりました。南教授、学生の皆さん、ありがとうございました。
最後に宣伝です。明日2月23日(土)14時から南教授の退官記念講演会があります。是非ご参加いただければと思います。
南卓志教授 退官記念講演会「海の生物と学生達-福山大学の八年間-」平成31年2月23日(土)午後2時から4時まで、福山大学16号館3階1631教室