心理学科
中島 学(なかじま まなぶ)
職 名 | 教授 |
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学 位 | 博士(法学)教育学修士 |
専門分野 | 矯正心理学、犯罪学 |
担当科目 | 矯正心理学、少年と非行、コミュニティ心理学など |
メッセージ |
犯罪や非行からの立ち直りやその支援には何が必要で、その必要を具体的にどのように提供していけるのかを、刑務所や少年院の中で検討・実践してきました。言い換えると、時代や制度の変化に強く影響を受ける、現場の現実をどのように把握し、それにどう対応するのかが、矯正心理学の研究テーマの一つです。 |
『女性受刑者とわが子をつなぐ絵本の読みあい』
絵本作家でノートルダム聖心大学教授の村中季衣団との共著です。タイトルのとおり、女子刑務所での更生プログラムの一つである、「絵本の読みあい」を活用した「絆プログラム」の実践とその意義等を家族療法等の中で発展してきたナラティブモデル等に準拠して整理しています。その実践はNHKのEテレ「ハートネットTV」の番組の一つとして取り上げられてもいます。被害性を有する女性受刑者のその更生支援に、絵本を活用することや参加者同士の対話や関わりの影響がどのように機能しその効果がどのように波及していくのか、ワークショップで生じるヒューリスティクな作用に関しても今後、研究を深めていく予定です。
「性格の矯正」から「社会との共生」へ
非行少年への立ち直り支援の在り方を、従来からの本人個人の性格に焦点を当てた「改善モデル」から、本人の社会復帰後の生活維持に比重を移した「社会化モデル」への理念の転換を検討したものです。社会福祉領域においては、個人モデルから社会モデルへ、さらに「生活モデル」へとその課題を当人個人のみとはせず、支援体制等を含めた当人自身の生活継続に着眼した対応へと大きく変化している状況をふまえ、その変化を矯正支援の現状に適応するためにはどのような課題があるかを明らかにした研究です。
矯正施設における対話モデルの展開
少年院の指導・教育場面においては、「面接」、「集会」、「日記指導」といった独自に展開されてきた処遇が存在しています。その処遇の中核には、言葉と関係性によって生じる「対話」が存在し、そこで語り直されていく当人自身の「物語り」に着目した「立ち直りの自己物語モデル」を構築してきました。このような立ち直りにおける「対話」に関しては、拘禁刑の創設に伴う、若年受刑者への矯正処遇において、リフレクティング・マインド等に準拠する「対話モデル」の導入等に関しても関与してきており、今後の展開等に関して研究テーマとしてゆく予定です。