メディア・映像学科
岡田 翔(おかだ かける)
職 名 | 講師 |
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学 位 | 修士(映像) |
専門分野 | メディアデザイン |
担当科目 | メディアデザイン、CG表現論 |
メッセージ | 展覧会の企画や、アートブックの出版などを通して、映像やメディアの在り方について考えています。近年、映像の在り方はデジタルメディアの発展に伴い多様化しています。メディアデザインとは、そのような現状を踏まえながら新しい表現を作り出す方法や他者とのコミュニケーションについて、その仕組みやルールをデザインする分野です。 |
展覧会を作る。
近年はスマートフォンなどのデバイスを通して、どこからでも映像にアクセスができるようになりました。例えば、映画は映画館のように特定の場所でなくても見ることができますし、写真もスマートフォンで気軽に撮影が可能です。このようなメディア環境の中で作り出される“作品”とはどのようなものになるのでしょうか。展覧会「imshow (ENDOU yusuke)・(KANAGAWA shingo)・(KANEMURA osamu) 」は、展示を通して作家とキュレーターが作品の在り方や展示方法について考察するための展覧会です。
展覧会「imshow(ENDOU yusuke)・(KANAGAWA shingo)・(KANEMURA osamu)」(撮影:篠田優)
展覧会を保存する。
展覧会は空間を使用するため、そのままの形では後世に残すことができません。しかし、展覧会の詳細な記録を残すことができなければ、その展示は「無かった」ものとなってしまいます。図録という書籍は、そのような展覧会を保存するひとつの形式です。2023年には長野県立美術館にて開催された第Ⅱ期みんなのアートプロジェクト成果展「配置訓練 細井美裕+比嘉了」(2023.7.15-2023.9.10)の図録を長野県立美術館と共同で出版しました。
図録『Constellation Manual Miyu Hosoi + Satoru Higa』(撮影:篠田優)
“作品”としてのアートブックを出版する。
現在、国内外においてアートブックといわれる、写真集や作品集などが注目を集めています。アートブックは作家が自ら作ることもあれば、デザイナーやパブリッシャーが出版するなど、その在り方も様々です。2022年には昆虫をテーマに制作を行う美術家・岩崎広大さんの昆虫図鑑『NO-RECORD-FOUND CERTIFICATE – 759 Insects –』を出版しました。昆虫図鑑には、昆虫館より寄贈を受けた欠損などの様々な理由から展示することができない昆虫標本759体を全て原寸大にて掲載しています。
昆虫図鑑『NO-RECORD-FOUND CERTIFICATE – 759 Insects –』(撮影:篠田優)
書籍を“メディア”として捉える。
2020年からブックレーベル「paper company」を設立して、展覧会の図録や写真集、詩集などを出版しています。レーベルでは書籍をひとつの表現形式と捉えて、デザイナー、作家と共にフォーマットの更新を試みるプロジェクトを行っています。電子書籍が一般化した現代において、紙の書籍を作ることに少し古さを感じるかもしれません。ですが、現代から古いメディアを見つめ直すことで、私たちが見過ごしていたメディアの在り方を発掘できると考えています。
展覧会「paper company Book Exhibition vol.1」(撮影:篠田優)