学部・学科・大学院

電気電子工学科

仲嶋 一(なかじま はじめ)

職 名 教授
学 位 博士(工学)
専門分野 計測技術、波動応用技術、光・電磁応用技術
担当科目 電気工学概論、入門数学、技術英語、スマートシステム基礎実験、電子通信ロボット設計製作実験など
メッセージ スマートなシステムとは物が知能を持ち自律的な仕事を行う、未来社会に不可欠のシステムです。知能処理は我々人間と同様、外界の情報を得ることから始まり、目、耳等五感に代わる、むしろそれを凌駕する高機能のセンサが必要不可欠です。私たちが感じるものだけでなく、見えないものを見、感じる、そんな超能力者に囲まれた未来の暮らしを創造します。

超音波を操る!

音波は古来より我々が馴染んできた情報伝達手段ですが、超音波には非線形効果という普通の音波にはない特殊な効果があり、超音波を耳で聞こえる可聴音の信号で変調すると超音波が伝わるにつれて超音波から可聴音に変換される現象が起こります。これを利用することで、何もない空間にあたかもスピーカが存在するかのように音を発生させ、その近辺に音の範囲を限定することが可能となります。現状では数十cmの範囲の音場ですが、より範囲を 制限することを研究中です。これを病院や介護施設のベッドに応用した、ナースコール等の会話が隣接のベッドに漏れず安静な睡眠環境を創出するスマートベッドシステムの開発を検討しています。

音で療養・介護のクオリティーを向上するスマートベッドシステムの構想です。

音で温度が測れる?!

部屋の温度はどうやって測定しますか?普通は温度計で測りますが、温度計の温度が本当の部屋の温度というわけではないですよね。天井付近の温度や部屋の反対側の温度は異なっているかもしれないし、太陽の光が入ってくれば温度計が直接温められているかもしれません。でも、もし正確な空気の温度が測定できれば、それを利用してエアコンの温度、風量、風向を的確に制御して、快適な居住空間を効率的に得ることが可能となります。それでは、どうやって何もない所の温度を測りましょう?実は、音と電波を使うと空中の温度を非接触で測ることができるのです。音速は温度で比較的大幅に変化します。超音波とミリ波を用い、この干渉から音速を計測して干渉位置での空気温度を知ることができます。大気圏の温度分布を測るために開発された手法ですが、これを高度化し超音波とミリ波を使うことで屋内の3次元温度分布を非接触で測定する手法を研究します。

広い空間を持つ施設では、場所による温度が変化していますので、それを計測して制御すると快適性が向上します。