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薬学科
渡邊 正知(わたなべ まさとも)
職 名 | 准教授 |
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学 位 | 博士(医学) |
専門分野 | 脳神経薬理学、プロテオミクス |
担当科目 | 神経・精神疾患と薬物治療、眼・耳鼻咽喉・皮膚疾患と薬物治療、生殖器・内分泌疾患と薬物治療、人体の成り立ちと機能II、生体機能の調節Ⅰなど |
メッセージ | 薬剤師には、研究マインド「薬学・医療の進歩と改善に資するために、研究を遂行する意欲と問題発見・解決能力を有すること」が重要です。そして、これまで薬物療法の進歩には、先輩達の研究成果が大きく貢献してきたことは言うまでもありません。研究は、大学ならではの最高の学びのツールです。私たちとともに最大限そのツールを活かしてみませんか?みなさんの研究成果が、新しい治療薬や治療方法開発のきっかけになるかもしれません。 |
冬眠の分子メカニズムの解明
ハムスターは、寒冷環境下で飼育していると冬眠します。冬眠時は、体温が6℃まで低下し、血流量も著しく低下(正常脳の5%以下まで低下)します。通常では死に至るような低体温・低血流量です。ところがハムスターは、脳や神経細胞に全くダメージなく正常に冬眠から覚醒します。そのため、冬眠ハムスターには何らかの低温に対する神経保護機構と、虚血状態に対する耐性機構とが備わっていると考えられます。現在私たちは、冬眠ハムスターはどうやって体温を調節し、どうやって脳を保護しているのか?そのメカニズムを、遺伝子やタンパク質分子レベルで研究しています。
冬眠中のハムスター
タンパク質翻訳後修飾機構の異常と脳神経疾患の関連性に関する研究
タンパク質は、リン酸化・ユビキチン化・SUMO化・SNO化・糖鎖など様々な翻訳後修飾により構造を変化させ、本来の機能を獲得します。そのため、この翻訳後修飾に異常をきたすと様々な病気が発症すると考えられています。例えば、アルツハイマー病やパーキンソン病の原因に、翻訳後修飾異常を伴うタンパク質の機能変化が報告されています。しかしその発症機序は未だ十分に解明されていません。私たちは、脳神経疾患の発症原因を突き止めるために、プロテオミクス技術を駆使してタンパク質の機能異常を捉え、新たな治療法開発に役立てたいと考えています。