学部・学科・大学院

薬学科

田村 豊(たむら ゆたか)

職 名 薬学部長補佐
学 位 京都大学博士(薬学)
専門分野 神経薬理学
担当科目 人体の成り立ちと機能、生体機能の調節Ⅰ、薬の効くメカニズム、末梢神経系に作用する薬、代謝系・呼吸器系疾患の薬・病態・治療など
メッセージ 薬理学は、体内に入った薬が①どこに、どのように運ばれるのか?②どのように作用するのか?③どんな治療効果や副作用を発現するのか?④薬物はどのように体外に排泄されるのか?を考える学問です。薬剤師が、患者さんに服薬指導をする時に必ず必要になる知識です。

ハムスターの冬眠制御機構解明

シリアンハムスター(ゴールデンハムスター)はペットとしても人気のある動物です。シリアの砂漠で発見されたことからシリアンハムスターとも呼ばれます。シリアンハムスターは冬になると冬眠することが知られています。冬眠期間中は37℃だった体温を6℃まで低下させます。その後自力で37℃の正常体温に戻すことができます。薬理学研究室では、このような劇的な体温変化を制御する脳のメカニズム解明に挑戦しています。シリアンハムスター以外にもマーモット(photo4)、ニホンヤマネ(photo5)、ハリネズミ(photo6)、シマリス(photo7)なども冬眠します。将来的には、これらの動物が同じメカニズムで冬眠しているのかを明らかにしたいと思っています。

シリアンハムスター

冬眠中のシリアンハムスター

アルプスマーモット

ニホンヤマネ

ナミハリネズミ

シベリアシマリス

麻薬性鎮痛薬の耐性形成機序の解明

モルヒネ、オキシコドン、フェンタニルは麻薬性鎮痛薬と呼ばれ、強力な鎮痛作用を持っています。日本ではがん患者さんの痛みや神経が損傷して起こる神経障害性疼痛などの治療に用いられる大切な医薬品です。しかし、麻薬性鎮痛薬は長期間使い続けると鎮痛効力が低下し、量を増やさなければ効かなくなります。これを「耐性」と呼びます。いくつかの仮説はありますが、何故、使い続けると鎮痛効果が低下するのかは、完全には分かっていません。薬理学研究室では、この耐性が形成されるメカニズムの解明を行っています。耐性形成メカニズムが解明できれば、耐性を抑制するメカニズムも見いだせると考えているからです。

神経障害性痛覚過敏の発現機序解明

長時間正座をした後、足を伸ばしてしばらくすると、ピリピリしたり、ビーンと電気が走ったような感覚になることがありますよね?それが神経障害性疼痛です。糖尿病や帯状疱疹にかかると神経障害性疼痛になることがあります。神経障害性疼痛は、神経がダメージを受けた結果生じる痛みですが、既存の鎮痛薬がなかなか効かない難治性疼痛です。薬理学研究室では、神経障害性疼痛の治療法を開発するために、まず、神経障害性疼痛が起きるメカニズムの解明を行っています。