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薬学科

中村 徹也(なかむら てつや)

職 名 講師
学 位 博士(薬学)
専門分野 薬剤学、生化学
担当科目 製剤とDDS、コミュニケーション交流学習、実習Ⅴ
メッセージ タンパク質や核酸、多糖などの高分子は、生体内で特異的な挙動を示します。この特性を利用することで、薬物を特定の部位に選択的に送れる可能性があります。生物学や物理学、構造化学を駆使し、薬物を異常のある部位や細胞に届かせた時のセンセーショナルを味わってみたくないですか?

 研究者情報 

Fukuyama Univ Ver. researchmap

pH応答性薬剤設計で癌細胞に選択的な薬剤送達を!

癌細胞はWarburg効果と呼ばれる主にグルコースを主とした好気的解糖系による代謝の結果、乳酸などの産生による酸性のpH環境におかれています。この性質を利用し、酸性領域においてのみ薬剤を放出させることが出来れば、癌細胞に選択的な薬剤送達が可能となります。また毒性が強く副作用が現れやすいが効果の高い薬剤において、副作用が少なく効率的な治療効果が期待されます。このように細胞や組織の特性を利用した薬剤送達の設計を行い、細胞や組織における効果を可視化し、多方面からの評価を行っています。

癌細胞における薬剤の分布が示されています

トランス脂肪酸で癌細胞のみを攻撃?

トランス脂肪酸とは、不飽和脂肪酸において二重結合周辺の構造が、トランス型構造をとる脂肪酸の総称です。生体においてトランス脂肪酸はLDLコレステロールの増加とHDLコレステロールの減少を引き起こすことが報告されており、心疾患のリスクファクターとされています。一方、癌細胞においては、このトランス脂肪酸はプログラムされた細胞死であるアポトーシスを引き起こすことが知られています。このような癌細胞におけるトランス脂肪酸の特異性を用い、標的化としての発展を試みています。

トランス脂肪酸による細胞膜の変化が検出されています