分析化学は、物質の性質を解析したり、その存在量を測定したりするなど、領域が非常に幅広い学問で、素粒子から宇宙までが取り扱われます。この分析化学の領域において、近年、物質の解析・測定したりする分析するという領域の発展は目覚ましく、化学や物理学に基づいて考えるだけではなく、生物学などの領域も取り入れてさらに幅広く考えられるようになりました。このような背景ののもと化学chemistryだけでなく、広くとらえた科学scienceで分析を考える分析「科学」という表現が出てきました。この分析科学の領域において、臨床分析科学研究室では、病態に関連する生体試料中の生理活性物質や医薬品の測定・解析法の開発を行っています。
当研究室では、研究を通じて、研究の楽しさ、友達・先輩・後輩とともに学び成長する楽しさを感じでほしいと考えて活動します。
臨床分析科学研究室
研究を通じて、ともに学び、ともに成長しよう!
研究内容
病態や疾患に関連する生理活性物質の生体内での存在量を知ることは、病態や疾患と生理活性物質との関連性を明らかにすることができるだけでなく、疾患の診断や治療経過を見るうえで有益な情報となるため、生体試料中の生理活性物質を測定するための分析法は多く開発されてきています。このような生体成分の分析科学では、生体試料中に極微量に存在する目的成分をより少ない量の試料を用いて高感度かつ精度高く分析することが要求されるため、様々な分析機器が用いられています。その中で、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は多成分を同時かつ高感度に測定することができる有用な分離分析法の一つであり、さまざまな分野で広く利用されています。特に、蛍光光度法との組み合わせであるHPLC-蛍光検出法を利用するとき、分析対象物が強い蛍光を発する場合には、それ自身の蛍光を利用してそのまま高感度分析が可能となりますが、分析対象物がそれ自身蛍光を発しないか蛍光を発しても弱い場合には分析対象物を蛍光誘導体に導くことにより初めて微量の分析が可能となります。
また、患者に投与される製剤中の医薬品や患者血中の医薬品の濃度を知ることは、患者の薬物治療において有益な情報となります。HPLC法を利用すれば、医薬品の濃度を解析することが可能になります。
そこで、当研究室では、
「生体試料中の微量成分である生理活性物質のHPLC-蛍光検出法による高感度分析法の開発」
「製剤または血中の医薬品のHPLC分析法の開発」
を主なテーマとして研究を進めています。