学部・学科・大学院

海洋生物科学科

我如古 菜月(がねこ なつき)

職 名 講師
学 位 博士(生活環境学)
専門分野 食品化学、食品機能学、食品加工学、調理科学
担当科目 化学Ⅱ、栄養学、フードプロセスなど
メッセージ 食べ物が持つ機能は、栄養に関わる1次機能(栄養的機能)、味や香りなどおいしさに関わる2次機能(嗜好的機能)、疾病予防や老化抑制など生体調節面に関わる3次機能(生体調節機能)の3つに分けることができます。研究室では未知の部分が多い海産物をターゲットに(一部、陸上生物が含まれますが)、主に2次機能、3次機能を中心に探索していきます。

 研究者情報 

Fukuyama Univ Ver. researchmap

魚のおいしさに関する研究

どんなに新鮮な魚でもそれなりに「ニオイ」はあるものです。魚種にもよりますが、これは主にカルボニル化合物由来のものです。カルボニル化合物は魚に含まれるEPAやDHA等の多価不飽和脂肪酸の酸化に関連して発生するため、カルボニル化合物生成量の経時変化を追い、おいしさだけでなく鮮度評価にもつなげられるよう研究を進めます。さらに、風味や鮮度を維持するための加工方法も物理的および化学的に分析を行いながら検討していく予定です。

鮮度とともにニオイ成分が変わってきます

低価格米粉の品質評価に関する研究

米粉の消費量・生産量の伸び悩み要因の一つに小麦粉よりも割高な価格が挙げられますが、製粉方法の工夫により低価格米粉が生産可能になりました。その米粉の加工特性や性質を明らかにするために、損傷でんぷん率やアミロース含有率等を測定して特徴を明確にします。低価格米粉が持つ特徴を生かした加工食品および加工製品を考案し、用途適性についてテクスチャー測定や官能検査等により評価します。加工食品の考案の際に水産物(例:魚粉など)を混合し、加工品の特性にどのような影響を及ぼすかも検討したいと考えています。

米粉の電顕写真(左:市販米粉、右:低価格米粉)

水産物に含まれる機能性成分の探索

機能性成分のうち、抗糖化作用を持つ成分の探索を行います。糖化反応とは、アミノ基とカルボニル基の間に起こる非酵素的化学反応で、体内でも急速に血糖値が上がって処理が間に合わない糖が組織をつくるタンパク質と結合することにより起こります。糖化により生成される終末糖化産物(AGEs;Advanced Glycation Endproducts)は、老化の一因になるといわれています。本研究ではAGEs阻害活性およびAGEs前駆物質分解の観点から水産物の抗糖化作用について探索していきます。

糖化のイメージ