生物科学科
佐藤 淳(さとう じゅん)
職 名 | 教授、グリーンサイエンス研究センター長 |
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学 位 | 博士(地球環境科学) |
専門分野 | 進化生物学、保全生物学、生態遺伝学 |
担当科目 | 里山概論、地球環境科学、保全生物学、環境ゲノム学、生物多様性実習など |
メッセージ | DNA上には、生物の進化の歴史から、適応、そして絶滅に至るまで様々な情報が刻み込まれています。そのような情報を読み解くことで、生物の過去、現在、未来を知ることができます。コンセプトは「DNAから生態系まで」、そして「フィールドから実験室まで」 です。外に飛び出て、一緒に生物多様性の謎を解明しよう。 |
哺乳類の進化過程を理解したい!
哺乳類は約6,500万年前に恐竜が絶滅した後、一気に多様化したと考えられています。私は、哺乳類が地球環境の変遷と共に、どのような時間的・空間的背景の中で多様化を果たしてきたのかを遺伝情報に基づいて明らかにしようとしています。たとえば、レッサーパンダが古い独自の系統を持つことを明らかにし、180年以上続いた本種の進化的由来に関する議論に終止符を打ちました(広島市安佐動物公園との共同研究)。また、味覚や毛色に関わる遺伝子の分子進化などを通して、哺乳類の環境適応を研究しています。
世界を変えたレッサーパンダ友友(広島市安佐動物公園提供)
何故、島で絶滅が多いのか?
脊椎動物の絶滅の大半は島で起きたことが知られています。そしてその原因の一つに遺伝的多様性の低下が関与するのではないかと言われています。瀬戸内海は世界的に見ても有数の多島海ですので(700以上の島が存在)、この地域の特色を最大限に活かして、島で絶滅が起こりやすい理由を明らかにしたいと考えています。現在は尾道から呉、そして愛媛県今治まで続く芸予諸島を中心にフィールド調査を行い、アカネズミの遺伝的多様性の評価を行っています。
美しい瀬戸内海の島々を見ながら研究!
うんこを見れば生態系がわかる!
生態系を構成するあらゆる生物種は、食物連鎖を通じてつながっています。動物が生態系においてどのような餌資源を利用するのかを明らかにすることで、生態系の仕組みや健全性(安定性、抵抗性、回復力)に関する知見を得ることができます。生態系における食物網のネットワークを明らかにすることで、人が生態系に与える影響も評価することができると考えています。現在は、アカネズミの糞から得たメタゲノムを対象に、DNAバーコーディング法による食性分析を行い、採餌品目の調査を行っています。
アカネズミのうんこに潜む無限の可能性