心理学科
大杉 朱美(おおすぎ あけみ)
職 名 | 准教授 |
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学 位 | 博士(心理学) |
専門分野 | 捜査心理学、司法・犯罪心理学、生理心理学 |
担当科目 | 司法・犯罪心理学、捜査心理学、交通心理学、心理学実験、捜査心理学課題実習、捜査心理学専門ゼミ 等 |
メッセージ | 捜査心理学とは、「心理学の知見を実際の犯罪捜査に活かすことを目的とした学問領域」であり、司法・犯罪心理学の中の一分野です。人の記憶を探るポリグラフ検査、正しい情報を引き出す取調べ手法、膨大な情報を分析して犯人に迫るプロファイリング等、実際の犯罪捜査に活かされる心理学を学び、深め、そして発展させる場所に、皆さんも飛び込んでみませんか? 捜査心理学を通じて培われる冷静な分析力、臨機応変な対応力は、情報で溢れる現代において、警察に限らず広く一般社会にも役立つ力です。基礎力、実践力ある人材を輩出していくことで、安心安全な地域社会の実現に貢献したいと思います。 |
これまでの活動
11年間、いわゆる「科捜研」で勤務し、現場の捜査員の皆さんと事件解決に全力を尽くしてきました。この度、科学捜査の進展により広く貢献するため、そしてそれを担う多くの人材を生み出すための教育・研修に力を入れるために、本学に移りました。何百、何千もの事故事件に対応してきた実務経験を存分に活かしながら、まずは捜査に活かされる心理学の実情を正しく伝えること、その上で現状の課題や問題点を整理し、その解決方法を探ること、そして新たな知見や発見を通じて、より良い技術を提供することを目指します。
模擬取調べの様子
ポリグラフ検査(隠匿情報検査)に関する研究
ポリグラフ検査と聞いて、「ウソ発見器」を思い浮かべ、怪しそうだなと思う人は多いかもしれません。でもそのイメージ、実は間違っていると言われたらどうでしょうか?日本のポリグラフ検査は、実は「ウソ」ではなくて、事件や事故の「記憶」や「認識」を対象としています。検査を受ける人が「犯人しか知り得ない情報を知っているかどうか」を調べる検査として、実は世界の研究者からも注目される検査なのです(隠匿情報検査と言います)。検査では、呼吸や心拍、皮膚電気活動等の生理指標が用いられ、その妥当性や正確性は多くの科学的研究から評価されています。
私たちは、特に犯行時の覚醒状態が検査に及ぼす影響や、反応時間を用いた検査の有効性、検査時のアーチファクト検出に関する研究を行っています。
隠匿情報検査の実験の様子
地域防犯への取り組み
>安心安全な社会の構築のために、多機関と連携し、地域防犯や犯罪の未然防止の活動・研究を行っています。研究室に所属する学生が中心となって、子どもの危険回避能力を高める安全教室(PACE福山支部の活動)やサイバー防犯教室(福山大学サイバー防犯ボランティアCyPat FUの活動)を行う等、各種ボランティア活動を盛んに実施している他、警察と協働で、DVやストーカーの重篤化、事件化のリスク評価に関する研究もしています。 広島県立歴史博物館との連携では、子どもの防犯意識の向上も目的とした「草戸千軒お化け屋敷」を実施しています。
CyPat FUの活動の様子