Department of Media and Visual Studies
学科イベント
このページでは「高校生CMコンテスト」「メディア・映像学科主催映画上映会」等、学科が実施している各種イベントについてお知らせします。
第19回高校生CMコンテスト2024
高校生CMコンテストは、映像メディアに対する高校生の豊かな感性を開花させ、その才能を支援することを目的として、福山大学人間文化学部メディア・映像学科が毎年開催しています。
第19回目の今年度は<地域の魅力を発信>と題し、2つの部門で作品を募集しました。
映像の部107作品、ポスターの部464作品の応募のなかから、つぎの入賞作品が選ばれました。
映像の部
銅賞 「津山の自然」
岡山県立津山商業高等学校 坂手 葵
審査員のコメント
津山の美しい自然の情景を効果的に使った秀作です。よく似たフリー素材も多く存在するので、場合によっては著作権フリーの素材が使われているかも知れませんが、非常に効果的に使われています。特に冒頭のシーンでB G Mに使われているフクロウの鳴き声は、選者の心を打ちました。
銅賞 「つしょうがみそ」
岡山県立津山商業高等学校 安東 陽生
審査員のコメント
冒頭10秒で心を掴まれました。音楽、トランジション、キャスト、演出にユーモアを感じるイントロ。つーちゃんのロゴも可愛いです。何より、制作者が楽しんで作っている感じが、観ているこちらにも伝わってきました。後半にあまり工夫は感じられませんでしたが、繰り返し流れていたら頭に残ってしまう、そんなCMになっていると思います。津山商業高等学校の皆さんが作った「つしょうがみそ」、食べてみたくなりました。
銅賞 「絵になる島 佐久島」
名城大学附属高等学校 若山 舞衣、米田 浩大
審査員のコメント
観光名所を第三者視点で巡る、観光CMとしてキレイな構成となっている映像です。登場人物がスマートフォンで写真を撮影している他、画面を横切るなど動きがあることも大変評価できます。その上で、音響の撮影ノイズなど雑音が気になりました。途中から音楽が流れてくるのですが、冒頭から音楽があった方が良いかもしれません。また、ラストシーンで撮影してきた写真がラストカットの上に重なってしまっています。別のカットなどに分けることでラストがよりキレイな印象的になると思います。
特別賞 「浜名湖の想い出」
浜松学芸高等学校 和田 優月、鈴木 杏望、加藤 有紗
審査員のコメント
全体的にクオリティが高く、大変よい映像でした。撮影、編集を大変丁寧に行っているため、時間の流れが心地よい印象でした。しかし、CMという点からすると、女子高生3人と浜名湖周辺の描写のみで構成されており、ターゲット層がみえてこないということが気になりました。例えば、浜名湖の特産であるウナギや貝類など海鮮物などが要素して入ってくるとより良いCMになるのではないかと思います。
ふくりん賞 「福山に伝わる魅力、琴。」
広島県立府中高等学校 岡田 雄太
審査員のコメント
「琴」は福山の特産物として有名です。厳選の素材を野ざらしで乾燥させるため製作には時間がかかります。そんな福山の特産物をテーマに取り上げたところに感心しました。後半ではその琴を演奏するシーンが印象的です。全体の造りとナレーションが、現代的ではなく地味な仕上がりになっています。さらに工夫すると良い作品になると思います。
最終審査進出作品 「毎日が日曜日。吉祥寺。」
立教新座高校 永森佑希、久保彰太、丹羽晴人、田中望蒼、只野玄
審査員のコメント
吉祥寺に行った際に外国人観光客が多く訪れていたことが印象に残って作成したという
着眼点が素晴らしいです。外国人向けに英語のナレーション、少しでも多くの場所を紹介するためのテンポなども効果的です。惜しいのはトランジションが主役になっており、紹介箇所の魅力が引き出せているとは言えないことです。魅力的に映るような角度や光の入り方、構図などを丁寧にすればより良い作品になると思います。またナレーションは英語ですがテロップは日本語が主体であること、三鷹を吉祥寺の範囲にいれることは個人的には違和感を感じました。
最終審査進出作品 「学生のまち」
広島新庄高等学校 和田 紗昆、髙橋 乘道、菅原 壮真、竹下 浩平、野村 駿仁
審査員のコメント
実写とアニメーションを組み合わせるというアイデアを、冒頭は動画としてスタートし、合成部分では静止画も使いつつ画面全体を動かすというように、一つの方法にとらわれず最適な手法を探りながら実現できている部分が評価できます。ただ、現状では光や時間の印象がバラバラなのが少し気になってしまいました。動画、写真とも、もう一息、魅力的な絵、最適なカットを探してくる努力を重ねることで、さらに良くなると思います。
最終審査進出作品 「学問の神様」
高松中央高等学校 藤井 友音
審査員のコメント
淡路の由来に着目した点、そこからラストのコピーへつなぐ流れは良いと思います。しかし、初見では内容は理解できないのがもったいないです。
文字数に対して表示時間が短く認識は難しいため、表示内容を精査し、表示時間を長くした方が良いでしょう。また冒頭の駅外観カットは淡路駅の文字を認識する前にフレームアウトするため、こちらも内容が理解できない要因になっています。狙いは良いと思いますのでその狙いが伝わるかどうか確認するとよいでしょうか。編集後は視聴者の立場になって確認すれば改善できますのでぜひ実践してみてください。
最終審査進出作品 「妖怪の町」
兵庫県立香寺高等学校 野上 滉翔、北川 健生、西 希望、岸本 颯生
審査員のコメント
個人的には今回の作品の中で一番引き込まれた作品です。妖怪と主人公の切り返し、ノイズによる映像加工は妖怪の世界観と不気味さを表現できています。またラストにきっちり町名を紹介しているためCMとしても成立はしています。賛否が分かれるのは主人公が襲われてしまうという結末です。視聴後に恐怖のみが植え付けられるためホラー映画であればこの表現もアリかとは思いますが街の魅力を得られるかと言われれば難しいです。「妖怪と出会える」結末の表現にする、街に点在する作品を観覧する主人公で終わるなどであれば印象も変わると思います。
最終審査進出作品 「「あさくち」って最高」
岡山県立鴨方高等学校 岡本 麗菜
審査員のコメント
この作品を完成とするか未完成ととらえるかが、審査会でも議論になりました。個人的にも判断に悩む部分はありましたが、カット割や展開は丁寧に考えられ、絵にも魅力があり、作者が目指そうとしているものはしっかり伝わりました。もし作品をアニメーションとして完成させるとすると大変なエネルギーが必要だと思いますが、登場するキャラクターたちが動くところを見てみたいと感じる魅力があります。また、アニメーションに限らず、映像にはいろいろな表現があります。このように静止画を切り替えていくスタイルでも、BGMや効果音の演出で、もう一歩先に進めると思います。
最終審査進出作品 「玉野市宇野の景色」
岡山県立玉野光南高等学校 松本 侑奈
審査員のコメント
縦長のフォーマットで作られた、ある意味でとても今っぽい仕上がりです。とはいえ、文字の大きさを抑えるなど、スマートフォン以外の環境でも見ることのできるバランスになっていると思います。静かな音楽と映像が切り替わるタイミングがおおよそ揃えられているでしょうか。若干ずれているように感じる部分と、最後の部分がぶつ切りになってしまっているのは勿体無いと思います。細かい部分を整えると、駅などのデジタルサイネージなどにも対応できそうです。
ポスターの部
端が切れるほど画面いっぱいに配置したダイナミックな写真と尾道のフォント選びが好感を持てました。一目で花火大会と分かるシンプルさは日付・開催場などが入ればそのまま花火大会のポスターとして使用できるほどです。ただ花火大会のポスターとしてはとなります。地域の魅力が表現できているかとなるとなぜ花火なのかと思ってしまいます。ほかの県にはない花火の特徴を表すか、花火に照らされる尾道の街並みを撮影し、尾道の魅力として知られる街並みが花火に照らされて違った楽しみがあるなど、表現したい地域の魅力がどうすれば伝わるのか考えるとよりよくなるでしょう。
審査員のコメント
はじめにこの作品を見たとき、控えめですがすっきりとよくまとまっていると感じました。同時に、夢風鈴ってなんだろう、という疑問も持ちました。もちろん、気になって調べてみれば、“神代和紙”についてのいろいろなことを知ることができます。その点では、地域を探るきっかけになる良いポスターだと思います。コピー+写真という今回の課題からはやや離れますが、実際のポスターの多くには、コピー以外にも内容を説明する文章が、目立ちすぎないようにデザインされていたりします。今回の作品にも和紙のことなどを説明する文章を嫌味にならないように加えることができれば、より多くの人に届くものになるはずです。
審査員のコメント
全体的にシンプルな構成ながら、写真の構図、文字、レイアウトのバランスが良く、キレイなポスターとしてまとまっていると思います。まず、斜めに撮影している写真がとても良いです。レイアウトとしても余白を持たせることで、画面が斜めになっていることが中和されて画面内の文字を読むことができます。しかし、英語、日本語が左下にまとまってしまったこと、海の水面が暗いことで、一箇所の比重が高くなってしまっています。日本語のレイアウトの配置を変えることでより見やすいポスターになるのではないでしょうか。また、貿易港というロケーションが伝わるタンカーなどが大きく画面に入り込んだ写真を使用するなど、同じアプローチからより完成度の高いポスター制作に取り組んでもらいたいと思います。