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経済学科
野村 宗訓(のむら むねのり)
職 名 | 教授 経済学研究科長 |
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学 位 | 博士(経済学) |
専門分野 | 産業経済学、規制経済学、公益企業論 |
担当科目 | 経済政策、現代社会と経済 |
メッセージ | 1980年代に国鉄(JR)・電電(NTT)の民営化が実施され、その後も通信自由化、道路公団改革、電力・ガスの全面自由化、震災後の原発再稼働、再生可能エネの拡大、LCCの参入、空港民営化という問題がニュースとなっています。民営化・規制緩和後に市場経済と政府規制をいかにバランスさせるかについては多面的な分析が必要です。 |
新型コロナが交通インフラ産業に与えた影響の考察
航空会社は空港ビルの店舗や旅行代理店などを傘下に持つものの、コロナ以降は苦境に立たされています。多くの航空会社は航空機の購入に要した費用を回収できない状況にあります。世界的な航空業界の不振は空港経営や航空機製造、金融機関にも悪影響を及ぼしています。
鉄道会社の大多数は民間企業で、大手はホテルや百貨店、遊園地なども経営しています。コロナ前には鉄道部門が不振でも他部門で黒字を出すことができました。しかし、コロナ以降はそれらの施設利用者も減少し、収益悪化が続きグループ全体の維持が難しくなっています。
2021年7月に広島空港は民営化されている。(2021年12月27日 野村撮影)
資源小国で電気料金値上げが起きている実態の解明
電気料金が自由化によって低下したのは事実ですが、それは一時的なプラス効果にすぎませんでした。料金は下がることもあれば、上がる可能性もあります。最悪のケースでは長期的に上昇し続けることもあり得ます。実は2022年から、そのような状況が続いています。
その背景には、新型コロナによる需要低迷、人手不足によるサプライチェーン崩壊、台風や洪水などによる自然災害、ロシア軍によるウクライナ侵攻に伴うエネルギー供給の逼迫、原材料費高騰と円安による一層の打撃など、いくつかの悪化要因が重なっていると考えられます。
このような施設を建設することが難しくなっている。(2019年8月26日 野村撮影)