【スマートシステム学科】里山里海PJのカメラはさらに海底へ!

【スマートシステム学科】里山里海PJのカメラはさらに海底へ!

瀬戸内の里山・里海学が福山大学ブランディング推進のための研究プロジェクトとして展開中です。前回、10月31日のブログでは、スマートシステム学科で開発中の海底カメラ「海中どぼーん」が福山大学マリンバイオセンターの実習船に搭載され、実際に瀬戸内海に投入されました。その続報がスマートシステム学科の仲嶋教授や田中准教授から届いていますので、工学部スマートシステム学科(フェイスブックはこちら)の伍賀が紹介します。


海底カメラの海中投入実験(2)

お待たせしました。ついに海底カメラの初撮りの画像をお届けすることができるようになりました。これが海底から見た画像です。パチリ。

海底カメラの最初の画像

緑色の画面にぼんやりした黒い線があるだけですって。うーん。瀬戸内海の透明度は残念ながらこんなもののようです。この黒い線は海底カメラを吊り下げるためのワイヤーです。16本のワイヤーで重い本体を支えているので時々画面に写ってしまいます。透明な海に色とりどりの魚が泳いでいるシーンを期待されていたみなさんごめんなさい。

さて、今回の実験場所は前回と同じ福山大学マリンバイオセンターの前の海ですが、前回の失敗を反省して太いロープの長さが十分に足りる水深10mの場所を船長さんに選んでもらいました。さらに海底カメラは中身が充実したフル装備です。カメラはもとより、水深計や方向といったセンサもバッチリ装備です。

先月の経験もあり実験の準備は順調です。天気予報はあいにくの雨。さらに強風波浪注意報なるものが出ていて少し不安になります。船長さんはいたって平気な風。安心して航海をお任せできそうです。今回は実際にカメラを搭載して出港です。。。海底カメラ本体は水中に沈められたまま出港しました。

次の写真は海底カメラを設置現場に曳航していた時に撮影した画像です。爽風丸がぐんぐんとカメラを引っ張っていくかっこいいシーンです。

 海底カメラから見た爽風丸の船底

直ちに現場に到着。スルスルと降りていく海底カメラ。無事にカメラが動作するのかどうかとても心配ですが、設置完了です。一時間ほどしたら引き上げに戻ってくる予定です。

海底カメラ設置完了

ところが、帰港して現場に戻ってくる途中で突然エンジンルームから黒い煙がモクモクと。???ヤバいんじゃないでしょうか。 「エンジンのマフラーに穴が空いている」のだそうです。「工学部の人なら直せるのでは???」って、ちょっと期待が重すぎます。今日はそんな道具は何も積んでません。ドラ◯もんか何かと間違えていないでしょうか。

それからは船のスピードはぱったり落ちて、全く元気がありません。現在位置はカメラの引き上げ場所は目の前なのですが、エンジンの修理ができるマリーナまではそこそこの距離があるようです。船長さんはとりあえずカメラを引き上げてそれから帰港することにしたようです。

あこがれののんびり船旅なんですが、いつエンジンが止まるとも限らない状態です。楽しめません。引き上げ場所にたどり着くのに30分もかかってしまいました。

海に浮かんだ海底カメラのブイ

海底カメラの引き上げ現場では海に浮かべておいた目標のブイを引っ掛け棒で釣り上げて、繋がっていたロープをぐんぐん引き上げます。普通、作業中はエンジンを止めるのですが、故障したエンジンを止めると2度とかからない可能性があるのでエンジンはアイドル運転のままです。

 海底カメラを海から引き上げます

引き上げ自体は順調です。引き上げたカメラを船のへさきで海中に沈めたままで曳航します。それからマリーナに到着までノロノロと1時間かけて進みました。「エンジンをフルスロットルにしてあれだけしか速度が出なかったのよ」と船長さんが後で教えてくれました。

因島大橋は雄大だが船の航跡が弱々しい

 目的のマリーナは目の前だがなかなかたどり着かない

海底カメラは無事に陸揚げされた

 

そんな危機的な状況で私たちを運んでくれた爽風丸と船長さん以下スタッフの皆さん、大変ありがとうございました。あなた方は英雄です。ブログを読んでいただいたみなさん今回は海底の美しい風景をお届けする予定が、ちょっとした冒険譚になってしまいました。海底カメラで記録した様々なデータは今後の研究に大いに役立つと思います。また、本年中に場所を変えてカメラの実験を行いご報告いたします。

 

学長から一言:あれ?見せてくれる海底カメラで記録したデータはワイヤーだけ?!?「海底カメラで記録した様々なデータは今後の研究に大いに役立つと思います」って。。。期待しましょ!!!

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