【サークル】海洋生物研究会-外来生物企画展~水辺のよそ者博~
令和5年度福山大学教育振興助成金による支援対象の研究課題の一つに採択され、当該課題に係る今年度の活動を展開している学友会「海洋生物研究会」では、8月の活動として福山市リサイクルプラザにて、水圏環境啓発展示活動を行いました。研究会広報担当の海洋生物科学科3年生、奥谷さんからの報告です。(投稿は海洋生物科学科学長室ブログメンバーの阪本)
海洋生物研究会の今夏の活動
7月16日(日)の第2回松永湾清掃活動を終えた海洋生物研究会は、昨年度に引き続き、福山市リサイクルプラザにて8月11日(金)~13日(日)の3日間にわたり有人展示を行いました。今回の活動では、6月18日~25日に同施設で行われた無人型の環境啓発展示の内容にも含まれていた『外来種』についての研究をより深く掘り下げ、「水圏環境啓発展示-外来生物企画展~水辺のよそ者博~」と題し、外来種や在来種の生体展示、部員による解説、特徴や日本の環境に与える影響を解説した自作パネルの展示を行いました。また、子ども達を対象とする催しとして、海や河川、湖沼など水辺に生息する生き物の色・形・模様の特徴を知り、自由にペイントして作る「プラ板制作」や「ぬりえ」も行いました。
展示の準備は、前回の清掃活動の2日後から大学の定期試験直前まで行い、それぞれの得意分野を活かしながら分担して進めました。また、展示生物は福山市の身近な河川である本郷川や芦田川にて部員らで採集し、さらに特定外来生物の「カダヤシ」に関しては環境省に飼養等の許可申請を提出し、受理されて生体展示を行うことができました。
どうすれば読みやすく分かりやすい展示になるのか、皆で意見を出し合いながら進めました。それぞれの得意分野を活かして、約30枚の解説パネルを手書きで制作!! 展示会前日の8月10日に会場設営を行いました。
展示物のレイアウト、水槽の立ち上げ、プラ板の角取りなど、昨年度の有人展示や、今年度の無人展示の経験を活かして幹部を中心に会場設営を進めました。設営終了予定時刻より大幅に遅れましたが、なんとか設営完了!!
プラ板制作・ぬりえコーナーでは、青色のパーテンションに見本を兼ねた解説パネルを展示しました。
活動報告と大学紹介のパネルゾーンには・・・急遽、会場で作製した「等身大パネル」が!!
学生たちの頑張りとお客様の声
展示期間中は合計16名の部員が参加し、シフトを調整して1日あたり9名の部員が展示の解説やプラ板制作・ぬりえのサポートを行いました。3日間で163名の方々にお越しいただき、中には2日間連続で遊びに来てくれたご家族や、7月1日(土)に行われた福山市内の小学生を対象とした生物採集「かんきょう体験隊!海の生き物調査」のサポート役として参加したイベントで出会った方々と再会しました。お盆期間とかぶっていたため少し寂しくなる時間帯もありましたが、展示物の制作に協力してくれた部員の思いも込めて、参加した16名の部員がしっかりと解説し成果を出し切ることができたと感じています。また、昨年と同様プラ板制作はとても人気があり、保護者の方も参加して一緒に作る様子が見られました。さらに今回、昨年度披露した海の生き物を折り紙で作る「おりがみ水族館」の代わりに、研究会の画伯たちによる様々な生き物のイラストをぬりえにしました。初の試みでしたが、イラストの生き物について部員の知識をフル活用して解説し、1才から小学校高学年までの幅広い年齢の子どもたちに楽しんでもらえました。ぬりえは持ち帰り自由にしたため、家に持って帰っても楽しめる良い企画になったと思います。さらに、近畿大学付属広島高等学校・中学校福山校科学部の皆さんにもご協力いただき、「ウシガエル」、「ブルーギル」、「ブラックバス」の全身、「ニジマス」の頭部の樹脂標本4点、液浸標本1点を展示しました。実際に手に取ったお客様からは、「特徴的な模様や鰭(ひれ)などをじっくりと観察できて良いですね」と大好評で、子どもたちも様々な角度から観察していました。
お客様との交流のひとこま
特定外来生物の「カダヤシ」と在来生物の「メダカ」の違いを分かりやすく解説! 2つの水槽を何度も行き来して見比べる様子が見られました。🐟🐟🐟
「ミシシッピアカミミガメ」の成体は、危険防止のため網で蓋をした容器の上から覗き込んで観察!🐢🐢🐢
樹脂標本を実際に手に取ってもらい、生き物の細部までじっくりと観察してもらいました!
日本の淡水魚「オイカワ」と「モツゴ」の水槽展示。上から見るか? それとも・・・横から見るか?🐟🐟🐟
展示解説を終え、休憩がてらプラ板とぬりえに挑戦!! 終始、大盛況でした♪
子どもたちの集中力は測り知れず・・・。
上手に焼けるかな?? お兄さんにお任せを!
等身大パネルの使い方はというと・・・特定外来生物「スポッテッドガー」と背比べ!🐟🐡👒
作ったプラ板・ぬりえを持って、はい、チーズ!!🐟🐡🌸
活動を終えて
昨年度も参加した先輩部員は「生態系の変化や今後の在り方などを自分なりに伝えることができたため、大きな達成感を感じた」、「昨年度と比較するとタッチングプールの有無や、生体の展示数の少なさなど規模が縮小してしまったが、展示作製の裏側では多くの手書き解説パネル、生体の採集、イラストの制作などそれぞれの得意な点を活かし、サポートし合った部員の努力もあって素晴らしい展示になったと思う」のように、部員間で支え合いながら展示を無事に終えることができた安堵の声、個人のスキルアップや仲間との協力ができたという声が聞こえてきました。
一方、今回初参加の後輩部員は「初めての展示活動でしたが、分かりやすく説明できるように頑張った」、「人に説明する難しさを改めて感じた」のように、慣れない活動の中、上手くできたことや、新たな課題を発見できたことで、今回の活動を通した成長が窺えました。また、今回の展示活動を通した部員の思いとして、「水生生物や、その生息環境の保全について興味・関心を少しでも持ってくれたら良いなと思う」、「少しでも環境問題について興味を持ってもらえると嬉しい」といった声が届きました。
番外編~条件付特定外来生物のオフタイム~
日向ぼっこ中の「ミシシッピアカミミガメ」の成体と幼体🐢🐢🐢お疲れ様です!!
立派なハサミがカッコいい「アメリカザリガニ」・・・部員からも人気者でした!🦐
身近な河川で採集された外来生物と在来生物の生体展示・解説、在来生物の生息環境を脅かす外来種問題、プラ板制作・ぬりえを通した生き物への興味・関心を引き出す体験など、今回の環境啓発展示で学んだこと、体験したことをきっかけに、様々な環境に生息する生き物たちに目を向け、守っていく行動をみんなで起こしていきましょう!
海洋生物研究会は、そのお手伝いができるようにこれからも積極的に活動していきます!! 活動内容やイベントの予告など、様々な情報発信をSNSにて行っていますので、是非覗いてみて下さい!
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学長から一言:海洋生物研究会が本学の教育振興助成金からの支援を受けて実施している日頃の研究の成果を基に、学外に向けて発表した水辺の外来生物に関する展示会は大いに盛り上がったようです。たくさんの入場者をお迎えし、とくに子ども達にとっては忘れがたい夏の思い出になったことでしょう。水圏生物や環境保護への関心が高まれば、創意工夫や苦労をした甲斐があるというものです。