【薬学部】「あこがれの大学生」プロジェクト/小学生の縄跳びスキル向上とキャリア教育
縄跳びチャンピオンである薬学部5年生の角君を中心に、尾道市立西藤小学校および三幸小学校で小学生と薬学部生の交流会を行いました。このことについて、引率した松岡准教授と半田助教が記事をまとめましたので、学長室ブログメンバーの五郎丸が投稿します。
●尾道市立西藤小学校/全校朝礼
3月9日(木)の朝礼で全児童約200名に体育館へ集まってもらいました。道原教授と松岡准教授の引率のもと、本学のすぐ近くにある西藤小を訪れた一行は、角君の縄跳びテクニックの披露、五重跳びチャレンジ、児童代表者らとの縄跳び対決、二重跳びの極意伝授を行うなど、小学生との交流会に臨みました。
角君は、薬学部5年生で薬剤師を目指して勉強や研究をしています。その傍ら、全国オンライン縄跳び大会で4種目優勝していますし、ジャンプロープフェスタ2022、富士山縄跳び大会でも優勝しています。縄跳び名人なのです。
手始めに、二重跳び、三重跳び、はやぶさを解説しながら披露しました。その後、これらの技をNiziU(にじゅう)の音楽にのせたパフォーマンスとして披露しました。身体が温まってきたところで、五重跳びにもチャレンジし、見事に成功しました。
次に、1年生から6年生の各学年代表者と、縄跳び対決を行いました。さすが各学年を代表する精鋭ぞろいで、角君は大苦戦していました。
最後に、二重跳びが上手になるための極意を伝授しました。
その後、校長室へ移動し、本藤校長と意見を交わしました。「ぜひ、来年、上手に二重跳びが跳べるようになった子供たちを見に来てください。」っと、来年の続編が期待されます。
左から松岡准教授、角君、本藤校長
●尾道市立三幸小学校/三幸っ子と福山大学薬学部生の交流会
日にちが変わって3月13日(月)、今度は佐藤雄己教授及び半田助教の引率で三幸小学校を訪問し、体育の授業(2コマ)の時間をいただき、5年生・6年生の計26名の児童と臨床薬効解析学研究室の3年生~6年生の計10名が交流しました。交流の目的は、縄跳びを通じて小学生に「大学生と仲良くなり、大学を身近に感じてもらうこと」、「大学に行ってみたい、大学生になりたいと思うきっかけ作り」です。
縄跳びチャンピオンの角君と司会担当の花田さん(5年生)を中心に何度も打ち合わせを行いました。また、参加学生全員による打ち合わせは1時間以上に及びました。
・大学生を身近に感じてもらうには?
・大学って楽しそう、大学へ遊びに行ってみたい!と思ってもらうには?
・小学生がワクワク、ドキドキ、盛り上がるためには?
交流会のプログラム計画、役割分担、事前に配る案内作成、交流会を円滑に進めるための説明のビラ作成、成果を量るためのアンケート作成、そして縄跳びの練習!学生もワクワク、ドキドキです。
当日、学生はニックネームを胸に貼り、花田さんの司会のもと学生の自己紹介から始まりました。交流会では、‘角師匠’の縄跳び披露、NiziUパフォーマンスの他、持久対決、30秒で何回跳べるか、縄跳びリレーなどを行いました。もちろん大学生も参加!縄跳びリレーは、小学生と大学生混合の6チームと角師匠ひとりチームとで競争しました。小学生も大学生も角師匠も全力です!
縄跳びリレーに全力で臨む大学生とチームメイトの小学生たち
また、角師匠の縄跳びのコツ伝授は、小学生に寄り添ったとても分かり易い説明で、皆さん熱心に耳を傾けていました。記録を更新した小学生から喜びの声も聞けました。
交流会の最後には、小学生から大学生への質問コーナーを設けました。
・どんな研究をしていますか?
・大学は何が楽しいですか?
・勉強はたいへんですか?
・薬はどうやって作られますか?
・好きな食べ物は何ですか?
さて、交流会を通して、小学生たちは大学生を身近に感じ、大学に興味を持ってくれたのでしょうか?
アンケート集計結果(24名が回答)
回答してくれた小学生全員が「大学生にまた来て欲しい」と回答してくれました。この結果に、学生たちは胸をなでおろすとともに、本当に嬉しく温かい気持ちになりました。一方で、「勉強が難しそう」とのコメントも多く、小学生に学問や研究の内容を分かり易く説明し、その面白さを伝えることの難しさを身に沁みて感じました。
交流会終了後、たくさんの小学生たちから「サイン下さい!」のリクエストが角師匠だけでなく、それぞれの学生にありました。サインをねだられて戸惑い照れながらサインする学生たちの姿と、嬉しそうな小学生の姿は、何とも微笑ましい光景でした。校長の山口先生も「まさかサインを貰いに行くとは思いませんでした」と仰ってました。小学生にとって将来の夢や希望、憧れを持つ小さなきっかけとなることを願います。
サインに応える角君と花田さん
薬学部では、コミュニケーション能力を培うための「コミュニケーション交流学習」で、保育所や介護施設を訪問します。しかし、現3年生と4年生の学生はコロナ禍でその機会を失いました。参加した学生にとって、この交流会はコミュニケーション能力及びファシリテーション能力を培う、またとない機会となりました。西藤小学校及び三幸小学校の児童の皆さん、先生方に心より感謝申し上げます。
三幸小学校の皆さんと臨床薬効解析学研究室のメンバー
▼角君のコメント
「縄跳びを好きになってほしい」、上達すること以上に「縄跳びを通して楽しい時間を過ごしてほしい」と思いました。私の縄跳びの技披露やリレー形式のゲーム、対決企画もあり、大いに盛り上がりました。小学生の皆さんにとって特別な時間となり、そして日々の取り組みのきっかけになれば嬉しいです。会場の体育館は、皆さんのやる気と熱気で満ち、笑顔と歓声、拍手であふれていました。皆さんの挑戦する姿や「上手になりたい」「二重跳びが跳べた」「縄跳びが好きになった」という声は、私自身の励みとなりました。これからも一本の縄がつないだ人の輪を大切にしていきたいです。私はいつでも出張します。
学長から一言:子ども達が大好きな縄跳びを通じて、大学や大学生との距離を縮める単なる「お楽しみ会」かと思いきや、これが薬剤師にとって不可欠なコミュニケーション能力を養う教育の一環でもあるとは。すでに「師匠」「名人」「チャンピオン」の域に達している角陽和君のスゴ技は、パフォーマンス後にサインを求められるほど、きっと子ども達の心に強烈な印象となって残ったことでしょう。