【人間科学研究科】大学院1年生の修士論文中間発表会を開催!
公認心理師の資格取得のため、2月は毎日のように実習に出ていた人間科学研究科の1年生が、今度は修士論文への取り組みで頑張っています。
本日は、そんな大学院1年生の修士論文中間発表会について、心理学科(兼人間科学研究科)の山崎理央教授からの報告をお届けします(投稿は学長室ブログメンバーの大杉です)。
心理学科の山崎です。
2月10日(金)は、人間科学研究科心理臨床学専攻修士課程は大忙しの一日でした。
午後は2年生の修士論文公聴会が実施され、2年間の研究の成果が発表されましたが、同じ日の午前中には修士論文中間発表会が開催されました。2022年度は、7名の1年生が研究の取り組みの途中経過を発表しました。修士論文公聴会は後日続報として報告される予定ですので、本日は中間発表会の様子について、先にご紹介いたします。
発表会は、午後の修士論文公聴会と同じく「未来創造館」の教室にて実施されました。
コロナ禍のため、対面での参加者は大学院生と教員に限定されましたが、同時にオンラインでの中継を行い、学部生も遠隔参加ができました(IR室の片桐重和助教に、会場の画像提示やオンライン配信機器の設定等、ご助力いただきました)。
<聴衆もじっくり聴き入っています。>
修士課程2年間の最初の1年が過ぎようとしています。あっという間に折り返し地点、というのが彼らの実感かもしれません。
この中間発表会は、これまでの取り組みの成果を報告するとともに、今後の研究計画のブラッシュアップをし、最終稿完成への方向性をつかむための大事な中間地点です。どの学生も、適度な緊張感を持って、真剣に発表に臨んでいました。
<会場からは鋭い質問や、温かい(?)コメントもたくさんありました!>
それでは、各発表者と研究テーマをご紹介します。
- 粟根大貴さん(医療心理学研究室)「自閉スペクトラム症傾向者が抑うつに至る過程の検討」
- 宇山真依子さん(健康心理学研究室)「社交不安障害に対する心理教育の予防的効果の検討――安全確保行動に焦点を当てて――」
- 永井柚衣さん(臨床心理学研究室)「対面とコンピューターを介したコミュニケーションにおける対人不安感および開示抵抗感の比較――大学生同士の模擬相談場面についての検討――」
- 中本涼太さん(医療心理学研究室)「大学生の抑うつ症状が生起する絶望感とライフイベントの検討」
- 細谷朱莉さん(捜査心理学研究室)「眼球運動を指標とした隠匿情報検査に関する研究――自律神経系指標との同時測定の試み――」
- 吉田有希さん(医療心理学研究室)「友人からの自己開示が被援助志向性に与える影響の実験的検討」
- 吉原可恋さん(障害心理学研究室)「幼児版マターナル・アタッチメント(MA)尺度作成と信頼性・妥当性の検討――定型発達児と神経発達症児を持つ母親のMA比較――」
今年度の心理臨床学専攻1年生は、7名全員が将来の公認心理師資格の取得、心理職としての活躍をめざして、研究と同時に臨床実習にも励んでいます。研究と実習という、性質の一見異なる、一定の時間も労力も必要な活動の両立は生易しいものではありません。
しかし、どちらも仮説を立てて検証する、そして実践した分だけ結果が表れて、それをまた次のステップに生かす、といったように、実はそのプロセスには多くの共通点もあります。その両方に取り組めるというのは貴重な学びの機会であり、その相乗的な学びは将来のみなさんの活躍において、強力な武器になることでしょう。
いずれの学生も、このことをそれぞれ大事にとらえて、お互いにうまくサポートしながら、この1年間しっかり頑張ってきました。
<発表を終えて、ホッとひと息(撮影時のみ、マスクを外しました)。>
修士課程の後半戦も、皆さんのさらなる成長を期待しています!!
7つの演題それぞれに、実生活や実習先で感じた様々な課題に心理学的に立ち向かおうとする学生の思いと努力があふれていたと思います。来年の修士論文の完成がとても楽しみになる、そんな発表会でした。次回は公聴会のご報告をします。皆さんお楽しみに!
学長から一言:心理臨床学を専攻する修士1年の皆さん、来年度の修論の最終的な提出に向けて頑張っていますね。テーマは様々ながらいずれも魅力的。修士論文といえども、心理学の現在の学問的到達点を少しでも高める斬新で充実した仕上がりになることを期待しています。