【薬学部】第45回福山大学薬学部卒後教育研修会を開催!
2月18日(土)に第45回福山大学薬学部卒後教育研修会を開催しました。このことについて、薬学部の中村徹也講師からの報告を、薬学部学長室ブログメンバーの五郎丸が投稿します。
薬剤師に限らず、医療従事者は生涯学習を行っていかなければなりません。福山大学薬学部は、卒業生に対する自己研鑽機会提供の一助として卒後教育研修会を平成5(1993)年度から開催しています。ジェネラリストを経てスペシャリストであることの必要性が叫ばれる薬剤師の世界において、多角的な視野を養うためにも、研修会では多岐にわたるテーマを掲げています。今年度は「変化の時代の中で、いま薬剤師が取り組むべきこととは?」をテーマとして開催させていただきました。
今回の研修会は、実行委員長に大西准教授、実行委員に竹田教授、五郎丸准教授、広瀬講師、中村(私)、藤井助手、さらに講演者としてもご尽力を賜りました村上客員教授が実施・運営に当たり、現役薬剤師の皆さんの他、陪席して聴講する機会を与えられた薬学部生の学修を支えることになりました。
昨年度は、コロナ禍のために開催自体が危ぶまれた卒後研修会でしたが、最終的にWebによる遠隔視聴と言う形での開催となりました。1年経った今年度はウィルスまん延防止策を十分に取り入れた上、対面での開催を行うことができました。
大西委員長による開会の辞
最初の講演は、五郎丸准教授が座長を務め、くまもと温石病院 薬剤部長の森 直樹先生に「虚弱な高齢者に求められる薬学的ケアと服薬支援を考える」という演題で行っていただきました。薬学的アプローチはもとより、他職種連携、認知機能の評価に関して医療人として必要な細かな配慮が示され、そこから嚥下機能にフォーカスした内容など、動画を含めて分かりやすく構成されたスライドを用いた講演でした。また、講演では2021年のノーベル生理学医学賞の一過性受容体の関連薬剤についても言及されており、数多くの論文を読まれ、日々患者の皆さまのために研鑽を積まれていることが感じられました。
森 直樹先生による講演
次の講演は、大西准教授が座長を務め、福山大学の村上信行客員教授により「物から人への薬学教育(実務家教員の役割)」という演題で行っていただきました。村上客員教授は、福山市薬剤師会会長を務められており、参加された薬剤師の方々の中にも日頃からお世話になっている方も多くいらっしゃる様子でした。薬剤師業務の規制緩和によるオンライン服薬指導など、デジタルトランスフォーメーション(DX):インフォメーションテクノロジー(IT)を活用し、医療業務の変革についても意欲的に考えられており、マイナンバーカードでのマイナポータルを通じたパーソナル・ヘルス・レコード(PHR)を有効活用するため、IoTデバイスの活用も今後の論点として取り上げられました。
村上信行客員教授による講演
第45回福山大学薬学部卒後教育研修会は久しぶりの対面での実施でしたが、卒業生・一般の参加者を含め30名ほどにお集まりいただき、活発な質疑応答が行われ成功裏に終わることができました。コロナ禍の影響もあり、参加者は少なめでしたが、積極的に生涯にわたり学び続ける卒業生に対して、自己研鑽の場を提供できるよう今後も継続していきたいと思います。
最後になりましたが、本研修会の開催に際してご尽力ならびにご協力くださいました皆さまに、深く御礼申し上げます。
学長から一言:薬学部を卒業し、薬剤師として活躍している皆さんを中心に、継続的なレベルアップやリスキリングを図る機会となるようにとの意図で実施されてきた卒後教育研修会が今年はコロナ禍をはね除け、対面での実施が実現し、良かったです。日頃は実務で忙殺されがちな参加者にとって、貴重な学びや新たな情報収集の場となったことでしょう。