【心理学科】PACE福山支部が新涯小学校で地域安全マップ作製指導を行いました!
ボランティア団体であるPACE福山支部の活動について、年内最後の報告は11月に行ったビックイベントについてです。何がビックなのか?それは活動に参加した小学生の数が、これまでの活動の実に2倍以上だと言うことです!
PACEメンバーがどう乗り越えたのか、その工夫も含め、心理学科の濱本有希助手からの報告をお届けします(投稿は学長室ブログメンバーの大杉です)。
心理学科の濱本です。
11月16日(水)に、PACE福山支部のメンバーが福山市立新涯小学校で地域安全マップ作製指導を実施しましたので、本日はその様子を報告します。
今回は、新涯小学校の3年生136人(4クラス)の児童に対して、先日行った学内セミナーで新たに養成した新メンバーを含め、総勢14人の学生が地域安全マップ作製指導を行いました!これまでにない大人数に対しての活動をどう乗り越えたのか、順にお伝えしていきたいと思います。
1.事前講義
まず、4クラスの児童を1か所に集めるよりも、何カ所かに分けて事前講義をする方が児童の理解度を上げられると考え、講義の場所を分けることにしました。4クラスあったので、4か所で講義が出来ればよかったのですが、講義の準備だけに労力を割いてしまうと、その後のフィールドワークやマップ作りの準備が不十分になる可能性なども考慮し、担任の先生方とも相談の上、3か所で講義を行うことにしました。
事前講義を別の会場で行ったとしても、フィールドワークの開始時間は当然一緒です。そのため、メンバーである学生指導員は、いつも以上に時間を意識した講義練習を行いました。
<事前講義の様子>
これまでの小学校等での講義経験や、グループごとの講義練習などの成果が発揮され、3会場ともとてもスムーズに講義を行うことができました。もちろん、どのグループも時間通りに講義を終えました!
2.フィールドワーク
今年度のPACE福山支部による活動では、学生指導員2人が5~6人で編成された班に対して指導を行うという方法が主流でした(過去の活動の様子はこちら)。ところが、今回は小学生の数が多いため、フィールドワークでは学生指導員1人(ないし2人)が合計14人(7人で編成された2班)に対して一度に指導をする必要がありました。そのため、保護者の方や担任の先生にも交通安全のサポート要員としてご同行、ご協力いただきました。
<フィールドワークの様子>
フィールドワークでは、移動の際は列に並ぶこと、安全・危険な場所を見つけたら班のメンバーに声をかけ、今居る場所が安全な状態であることを確認してから解説をすることなど、班ごとにルールを決めて工夫していました。どの班もとても上手にフィールドワークが出来ていたように感じました。
<フィールドワークで危険な場所(左)と安全な場所(右)を撮影する様子>
写真撮影では、塀が本当に高いのかどうかを確認するため、児童がモデルとなって塀の前に立って撮影を行うなど、少しでも多くの児童が活動に参加できるような工夫が見られました。もちろん、マップに貼り付ける写真に個人情報が含まれるのはNGですので、顔が写らないようにしっかりアドバイスしていました。
3.マップ作り
マップ作りは、フィールドワークの14人を2班に分けた、7人班ごとに行いました。指導員は、2つに分かれた班に対して同時に指導を行いました。1人で2班を指導するというのは、とても大変な作業ですが、1人で担当した学生指導員は様々な工夫をしながら見事に対応していました。
<マップ作りの様子>
経験回数が多い学生指導員は、自分が担当している2班に対して指導するだけでなく、経験の少ない指導員の班にサポートに入るなど、周囲の状況もよく見て自主的に動くことができていました。それぞれの教室と廊下をうまく使い分け、距離を取りながら楽しくマップ作りができました。
4.発表会
発表会は、4つのクラスごとに教室で行いました。1クラスを4~5人の指導員が担当し、発表会の進行、記録用写真の撮影、他のクラスとの時間調整などのすべてを学生指導員で行うことができました。
<発表会の様子>
5.閉会のあいさつ
閉会のあいさつでは「地域安全マップ作りをして、楽しかった人!」「もう安全なところと危険なところを判断できるようになった人!」「自分たちの班のマップが1番素敵だと思った人!」などの質問を投げかけました。すべての質問に対して、教室にいた全員が手を挙げてくれました。すべての児童が活動を楽しみ、危険回避能力の向上を感じ、自分たちが作った地域安全マップが1番素敵だと感じてくれたということです。
私たちは、この皆が自分の班のマップが1番だと感じられることが、この活動においてとても大切なことだと考えています。地域安全マップ作りでは、自分たちが暮らしている地域の素敵なところ(地域の人が地域を安全にするために工夫してくれていることなど)にたくさん気が付くことができ、それが自分たちの地域が好きになることに繋がります(地域への愛着心の向上)。
小学生には、いつも以下のようなことを伝えるようにしています。
「自分たちが作った地図は、自分たちの住んでいる地域と似ていると思いませんか?地域とは、私たちが住んでいる場所のことですが、これは、皆のお父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃん、そのまたおじいちゃんやおばあちゃん・・・と、長い時間をかけて、一生懸命作り上げてきたものです。小学校の1時間目から6時間目までかけて作る地域安全マップも同様に、長い時間をかけて皆で一生懸命作ったものですよね。」
「このような大切な地域を、一瞬で壊してしまうことがあります。それが、犯罪です。誰かが犯罪の被害に遭ってしまうと、本人やその家族だけでなく、地域の人達もすごく悲しい気持ちになります。そうさせないために、今日からできることがあります。それは、今日勉強したことを、お家の人や今日一緒に勉強していないお友だちに伝えてあげることです。」
説明後「お家の人やお友だちにお話ししてくれる人!」と聞くと、また全員が手を挙げてくれました。学生指導員もとっても嬉しそうで、皆が笑顔になったところで、閉会となりました。
<閉会のあいさつをしている様子>
6.完成したマップ
とても素敵な地域安全マップが出来ました。今回は20個のマップが完成しましたので、一部のみ紹介します。
<完成した地域安全マップの一部>
地域安全マップ作製指導を終えて控室に集合した学生指導員は、そのまま反省会を始めました。活動回数を重ねるにつれ、感じたことを共有して、今後の活動に活かそうという気持ちが強まってきているように思います。
そして、なんと、PACE福山支部現代表の野村奈央さん(捜査心理学研究室4年生・松江市立女子高等学校出身)、現副代表の小林歩夢さん(犯罪心理学研究室4年生・並木学院福山高等学校出身)が代表・副代表として活動するのは今回の新涯小学校が最後でした。反省会後、2人から皆に感謝の言葉がありました。コロナ禍で先輩からの引継ぎがない中、とても大変だったと思いますが、皆のことをしっかり引っ張ってきてくれた代表・副代表でした。野村さん、小林さん、お疲れ様でした!次の代表については、また後日報告します。
<反省会をしている様子>
最後に集合写真を撮影しました(撮影の時だけマスクを外しています)。
<集合写真>
新涯小学校での地域安全マップ作製指導を終えたPACE福山支部のメンバーの感想を、いくつか紹介します。
- 野村奈央さん(PACE福山支部代表)
新涯小学校でのマップ作りは、規模の大きさなど今までとは違うことばかりでした。これまでの経験と知識だけでは足りなくて、自分たちで考え、行動することを強く求められていた本番でした。今回から3年生が主体となって講義などを準備してくれて、本番までの打ち合わせや講義資料の作成などたくさん頑張ってくれていました。本番の日にもたくさんのハプニングがありましたが、最後には皆の笑顔を見ることができ、とてもやりがいのある本番だったと思います。
私が代表としてPACE福山支部の活動に参加するのは今回が最後でしたが、先生方や周りの皆のサポートのおかげで最後まで自分なりに精一杯役目を果たせたのではないかなと思います。ボランティア活動で得た経験を生かし、これからも頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。
- 三村由佳さん(新涯小マップリーダー・捜査心理学研究室3年生・福岡県立城南高等学校出身)
今回の活動について、二言で言うと、「楽しかった!」「勉強になった!」です。今回、初めてリーダーとして計画・実施しましたが、1つの活動の裏にはこんなにも多くの人の協力があるのだと、身をもって経験することができました。正直、非常に大変でした。今年からこのボランティアに参加し、新涯小学校での活動が4回目でしたが、今までとは比べものにならない児童の多さでした。しかし、大きなトラブルもなく素晴らしい活動となりました。これもひとえに、数か月にわたって共に計画を立て、当日も手厚くサポートしてくださった新涯小学校の先生方のおかげです。本当にありがとうございました!子どもたちもいい子たちばかりで、私たちの方が元気をもらえました!次の活動もPACE福山支部全員で頑張ります!
- 藤井心音さん(1年生・盈進高等学校出身)
はじめて小学校での地域安全マップ作りに参加しました。マップ作りの時にどこまで指示してどのくらい自由にやらせるべきなのかがとても難しかったです。子どもたちが飽きないよう、ただ褒めることしか出来ず、不甲斐なく思う場面も多くありました。しかし、子どもたちがたくさん質問してくれて、自分もやりたいと言ってくれたことにすごく助けられました。先輩方や先生方の凄さが本当によく分かったし、やりがいも感じられて、参加して本当に良かったと思いました!次の活動では今回の反省点を改善してより良い活動ができるよう頑張っていきたいです!
- 中原晴菜さん(1年生・福山暁の星女子高等学校出身)
私にとって初めての小学校での講義でした。夏の西公民館での講義とは違った体験をすることが出来ました。小学生は元気で何でも答えてくれるので講義は捗るのですが、十人十色の意見に対して正しい答えを言わなければならないので、とても難しかったです。また、フィールドワークやマップ作りを通じて子どもたちと関わることで、自分では気付かないことに気付かされることも多く、視野を広げることができたと思います。今回の反省を次回の講義へと活かしていきたいです。PACEの活動は、大学生の時しかできない貴重な経験なので、これからも楽しく頑張っていきたいです!
指導内容や対象児童の学年はこれまでと変わりませんでしたが、児童の人数が多いだけで、こんなにも準備や打ち合わせが難しくなるということを学生指導員も実感できたのではないでしょうか。いつもよりたくさんの工夫をして、これまでの経験をしっかり活かせたことで、今回の活動も大成功を収めることができました!
ご協力くださった新涯小学校の先生方、保護者の皆様、本当にありがとうございました。今後もPACE福山支部の活動にご期待ください!!
大規模小学校における活動は、全員初めてでした。私(大杉)も右往左往しながらの参加となりましたが、準備を通じて学生たちが日に日にたくましくなっていく姿を見て、何事も経験だなと強く感じたものです。子どもの危険回避能力の向上のみならず、大学生自身の様々なスキルの向上にもつながっている地域安全マップ作製指導。今後も心理学科の学生を中心に、邁進していきたいと思います!
学長から一言:これまでになく多くの子ども達が参加した新涯小学校での「地域安全マップ作り」を終えたPACE福山支部のメンバーの皆さん、お疲れ様。今回で退任の代表・副代表の下、ベテランも初めて参加の仲間も大学で学んだ心理学も活かしながら、周到に準備した結果は抜群だったようですね。