【大学教育センター】教職をめざす学生のための教職フォーラム 2022
「教職フォーラム 2022」の記事が今井航教授より届きました。大学教育センターの学長室ブログメンバー竹盛が紹介します。
今年で早8年目、通算9回目となり恒例となった福山大学「教職フォーラム」が開催されました。この催しは、本学の大学教育センターと教職課程委員会の共催により実施されています。
第9回は、教職課程を履修する3年生を対象とし、12月7日(水)16時30分~17時30分に、大講義室01101で行われました。昨年度に続き、今回のテーマも「教育実習で学んだこと」でした。
はじめに、教職課程委員会委員長であり教職支援室室長でもある竹盛浩二准教授より挨拶がありました。そのなかでは、教育実習の体験を聴きながら、3年生には「教職の風景」を想像してみるようにという話がありました。
いよいよパネルディスカッションが始まりました。
教育実習を終えて数か月が経った今の気持ちを吐露することを皮切りに「教育実習中もうちょっとこうしておけばよかった」という反省点が述べられたり、回数を重ねた授業実践から得られたことや、生徒とのかかわりから気づかされたこと、あるいは指導教諭から学んだこと等が具体的に語られました。さらには、教育実習に臨むまでに準備していたこと、はたまた同期間中の出勤時刻や睡眠時間にまで話は及びました。このように教育実習を終えた教職4年生の代表6名による体験談が繰り広げられ、最後にはそれぞれが抱く教師像も表してくれました。
司会は、教職課程委員の今井航が務めました。パネラーを引き受けてくれたのは、人間文化学科の原健人くん、経済学科の畠中健人くんと平岡健幸くん、情報工学科の三宅匠くん、海洋生物科学科の大沼翔太くんと岡本修弥くんの6名でした。卒業前の忙しい中、後輩たちのためになる具体的な話をするために、時間を割いてもらいました。ほんとうに、ありがとうございました。
次年度に教育実習の履修を希望する教職3年生にとっては、教育実習のリアルを聴ける貴重な時間となったようです。終了後に提出してもらった感想シートからピックアップし、そのままを見てみましょう。
- ICT機器の活用に関しては、私にとっても課題になると感じました。ICT機器の使用があまり得意ではないので、事前にどれくらいICT機器が活用されているのかを調査し、授業での活用の仕方を考えておく必要があると思います。(後略)。
- 教育実習受入れ校の先生と面談を行った際に、「何か不安なことや、重点的にやりたいことはありますか」と質問があり、「指導案作りです」と答えました。先輩がおっしゃっていたように、事前に訓練をしておく必要があるなと思いました。また、授業方法についても、多様に準備をしておかなくてはいけないなと思うのですが、実習前の準備期間が短くて不安です。私は、実際に模擬授業を行った際に、時間が余ってしまいました。その中で、授業時間の調整などしておいた方が良いというアドバイスは為になりました。
- 先輩方の話を聞いて、特に教育実習後「教師になりたいという気持ちがより上昇した」という言葉が印象に残りました。まさに、自分も教員という夢から遠ざかってきてしまっていて、就活に力を入れている状況なので、先輩の言葉にドキッとしました。もっと就活と教職関連の動きの両立について聞いてみたかったなと思いました。また、流行の把握をすることで、生徒によりわかりやすい指導ができるということ、ICTの利用が通常になっているということを聞き、自分の高校時代との違いがあることをきちんと理解しておくことが必要だなと感じました。本日、話を聞いて、本当によかったなと思いました。自分も悔いが残らないよう、今から行動しようと思います。
- 教育実習を終えての「後悔」にあたる部分を聞けたのが、とても貴重な経験でした。「授業内でのICT機器の使用」や「当時の自分と現在の学生とのギャップ」等に戸惑ったという話は、自分の想定外の角度からの返答だったので、非常に為になりました。授業内容以外にも、中高校生の流行を押さえていた方が生徒達とより良好な関係を図りやすいという話を聞いた際に、先輩方が「ギャップを感じた」という話をしていたのが特に印象に残りました。4歳程しか年が変わらないという認識では甘いのだなと感じました。
- 先輩方の話を聞いて1番に思ったのは、受入れ校の担当教員との連係が大事であるということです。時代が移り変わるにつれ、私にとってのあたりまえが変わっているということを頭に入れるということが大切だと感じました。特にICTを使っているという点にびっくりしました。先輩もおっしゃっていたように生徒のいつものやり方で授業をすることが生徒にとって受けやすい授業であると思うので、教職の大先輩である担当の先生の話をしっかり聞いて、授業を作り、相談をしていくことがとても大事であると感じました。また、失敗談として、もっとコミュニケーションを取れば良かったという話がありました。その話を聞いて、自分にどれだけ余裕がなくても、生徒とのコミュニケーションをしっかりとることを心がけていきたいですし、自身にとって教師になりたいとさらに思える教育実習にしたいと思いました。
「教職フォーラム」を通じて、各参加者は、教育実習に向けて意識を高めたり、教員への適性を改めて自問したりしながら、自らの今やこれからを大いに考えることになったようです。
パネラーのなかで、原くんは春から私立学校の教諭に採用されます。また、平岡くんと岡本くんは教員志望で、目下、採用に向けての活動を進めています。大沼くんは大学院へ進学し、自身の研究を進めながら、専修免許状の取得も目指します。
みなさんの今後のご活躍を心から祈っております。こんどは現役教師として是非とも母校に戻ってきて、また「教職フォーラム」において教職課程の後輩たちを励ましてもらいたいと念願します。
学長から一言:今やすっかり恒例になった「教職フォーラム」にパネラーとして、また聞き手として集まった皆さん、教職に向けた覚悟を新たにしましたか。何年も教壇に立たれた大ベテランの中高の先生方のお話には大いに啓発されますが、教育実習を終えて間もない先輩からの話にも教職を目指す学生諸君には役立つことが少なくないでしょう。このフォーラムで得た知見をこれからの教員免許取得に向けた学びに活かしてください。