【海洋生物科学科】サイエンス・トーク “Blue in Green” 第3弾「海辺にある極限の環境に生きる生物」(金子教授)
9月21日(水)から後期授業が始まりました。キャンパスにも学生たちの賑やかな声が戻り、Hotな学びの空間が秋空の下に広がっています。去る9月28日(水)のお昼休みに、未来創造館において「サイエンス・トーク 第3弾 」が開催されました。その模様について、海洋生物科学科学長室ブログメンバーの阪本がお知らせします。
サイエンス・トーク第3弾
福山大学グリーンサイエンス研究センターでは、これまで第一線で活躍する研究者などを招いて“グリーンサイエンス・セミナー”を行ってきました。このセミナーは専門的な内容で、主に教員や大学院生を対象に行ってきましたが、今年度は学部学生なども対象に、気軽にわかりやすくサイエンスについて語る“サイエンス・トーク”を企画しました。第1弾の「“神の眼”をもつ鬼才クラゲさん~“記載” 分類学の究道~(泉講師)」、第2弾「水族館で調べるイルカの “こころ”(山本講師)」に引き続き、今回は第3弾「海辺にある極限の環境に生きる生物(金子教授)」です。
海辺にある極限の環境
海の極限の環境と聞くと、深海や南極海、熱水鉱床などが想像されます。しかし、今回のテーマは “海辺” の極限の環境です。さてさて、海辺の過酷な環境とは・・・それは波打ち際などの沿岸部にあります。例えば、砂浜などは満潮時には海水が満ち、干潮時には潮が引きます。そうすると、太陽の陽射しに晒された干潮時の砂浜の温度は上昇します。また、干潮時に雨が降ると塩分が低下します。まさに、過酷な環境です。
海辺の過酷な環境に生息する生物
金子教授がこれまでに行ってきた研究成果を基に、身近な生物を例に挙げて学生にわりやすく解説されました。海辺に生息する生物の中には、酸素がほとんど無い過酷な環境の下でも力強く生きる小型の生物がいます。ただし、これらの生物はその他の生物との種間関係においては比較的弱い立場にあり、生物の種間競争に負けてしまいます。これらの生物は海辺のどこかでひっそりと過ごし、虎視眈々とつぎの繁栄の機会を窺っているのです。そして、海辺の環境がより過酷になったとき、ここぞとばかりに繫栄するのです。とても興味深い海辺の生物の世界ですね!!
金子教授の発表の後、学生たちから幾つかの質問がありました。学生たちの質問はさらに面白い生物の生態を紹介するキッカケを生み、素晴らしいサイエンストークの舞台を演出しました。今年度初めて企画した「サイエンス・トーク “Blue in Green”」は、学生たちが教員の研究内容を知る機会となり、また質問を通じて得られるプラスαの知識の習得につながりました。中には3回全ての皆勤学生も数人居り、さらに学科を跨いだ参加も見受けられました。未来創造館のディスプレイコーナーで行ったサイエンストークは、とても有意義なキャンパスのひと時を創造してくれました。
学長から一言:今回の3回シリーズの「サイエンス・トーク 」の最後を飾る金子健司教授の話を、昼休みの時間を利用して私も端っこで聞かせてもらいました。まったくの門外漢には「へえー」っと思うことばかり。自分の専門外の話を気楽に(内容は高度でも、噛み砕いた説明のため)聴けるのは、総合大学ならではでしょう。他学部・学科・センターでも企画があれば、出かけて行きたいものです。