【経済学科】共生社会に向けた柔道大会をマネジメント 

【経済学科】共生社会に向けた柔道大会をマネジメント 

経済学部経済学科スポーツマネジメントコースの中村和裕ゼミ(以下 中村ゼミ)では、スポーツマネジメントやスポーツ経営に関する学問を学び実践しています。中村ゼミでは、 7月24日(日)に開催された「みんなで柔道楽しむ大会」という柔道を通じて、子どもから大人まで性別・障害の有無に関係なく一緒に楽しめる大会の運営に取り組みました。このブログでは、大会開催までの一連の運営活動について、中村ゼミ3年生の村上愛華さんから届いた報告を、学長室ブログメンバーの中村がお伝えします。

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私たちは、今回の柔道大会を開催することが福山の地域スポーツ振興につながると考えました。そのためにも、この大会を継続し経営するという観点から事業化する為の収益モデルの構築を目指しました。そこで、今大会の趣旨や価値に賛同いただける企業から協賛金をいただき、大会の事業化へと繋げたいと考え、協賛各社を募る企画書作成、そして企業訪問を行いました。

まず、この大会の価値を明確にするため、中村和裕先生がコーチをしているスペシャルオリンピックス(知的障がいのある方たちに年間を通じたスポーツ環境の提供と、その成果発表の場である競技会を提供している国際スポーツ組織:詳しくは下記のYouTubeをご覧ください)の日本・広島柔道プログラムを訪問し、アスリートの保護者やコーチの方々に聞き取り調査を行いました。

聞き取り調査の様子

聞き取り調査の様子①

聞き取り調査の様子2

聞き取り調査の様子②写真奥の中央で調査中

その調査結果から「共生社会の構築」「柔道を通して色々な人とのコミュニケーションをとる機会の提供」「チャレンジ精神の向上」の3つの価値を設定し、これを軸に協賛企業を募るための企画書を作成しました。

企画書作成後、協賛企業を募るために、協賛していただくお礼として、大会当日、パワーポイントを用いて大会参加者へ協賛企業の紹介を行うことにしました。訪問した企業は、アサヒタクシー(株)、三谷建設(株)、(株)Sakkuruの3社であり、それぞれに企画説明を行いました。初めての企画説明では、私たちの考えが甘く、協賛いただくことは想像以上に難しいことを実感しました。その後、訪問時にいただいたご意見を企画書に反映させながら練り直しました。その甲斐もあり、3社全てから大会開催の趣旨へのご賛同を得て、無事に協賛していただくことができました。それから、協賛いただいた3社を改めてもう一度訪問して情報収集を行うなどして、大会当日の企業紹介プレゼンテーションを準備しました。

企業訪問の様子

企業訪問の様子

7月24日(日)、エフピコアリーナふくやま柔道場で開催された「みんなで柔道楽しむ大会」は、備後柔道連盟福山支部主催で開催されました。ちなみに、主管したのは中村和裕先生が代表理事を務める一般社団法人スポーツプロモーション福山でした。この大会のうち、3つをピックアップして紹介します。

1. 企業紹介
子供たち向けにプレゼンテーションの内容を考えたり、子どもたちに質問をしたりして、理解しやすいように工夫をしました。大会に来られていた三谷建設株式会社の三谷社長にプレゼンテーションがどうだったか評価をしてもらったところ、「とても良かった」とのお褒めの言葉をいただけ、達成感がありました。

企業プレゼンテーションの様子

企業プレゼンテーションの様子

2.柔道遊びで楽しみながらカラダを動かそう
この時間はストレッチも兼ねて、「両手タッチ」と「おしりタッチ」や「しっぽ取り」などの柔道の要素を取り入れた遊びを行いました。その中で知的障がいの度合いや柔道の実力などを判断し、対等に試合が行えるよう振り分けを大会関係者が行っていました。下の写真のように、私たちも実際に混ざって体験しました。始めはお互いが恥ずかしがっていましたが、だんだんと打ち解けることができました。

柔道遊びで体を動かそうの様子

柔道遊びで体を動かそうの様子

3.健常者と知的障がい者の混合チームの試合
健常者と知的障がい者の混合チームをつくり、安全に配慮した組合せで試合を行いました。健常者の柔道ルールとは異なる知的障がい者柔道ルールは、障がいに十分に配慮したルールでした。実際の試合はとても迫力があり、会場が盛り上がりました。

知的障がい者と健常者混合チームの試合の様子

知的障がい者と健常者混合チームの試合の様子

【感想】
大会に参加してみて、知的障がい者と健常者とが柔道を通じて関わる機会を増やすことが大会の価値である「共生社会の構築」に繋がると感じました。大会を開催するまでの一連の取り組みの中で、協賛企業を募る企画書作成や企業訪問など初めて取り組むことばかりで、色々な経験を積むことができました。これを一回限りの経験で止めるのではなく、しっかり身につけ、地域スポーツ振興に引き続き貢献できるよう繋げたいと思います。

最後に大会当日の動画を作成したので掲載します。3分程度の動画です。ぜひご覧ください。

 

 

学長から一言:障がいの有無に関係なく一緒に柔道を行ったり、互いの技量を競ったりする大会を企画・開催し、その事業化を図る、正しく経済学科スポーツマネジメントコースを設置しているねらいに叶う活動です。趣旨にご賛同くださり協賛を賜ったアサヒタクシー(株)、三谷建設(株)、(株)Sakkuruの3社の皆様に、私からも謝意を表したいと思います。まだ始まったばかりの活動ですが、誰でも気兼ねなく社会参加できる「インクルーシブ社会」の実現に向けて、これからも頑張ろう!

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