【工学部】みらい工学プロジェクト・フィジカルコンピューティング

【工学部】みらい工学プロジェクト・フィジカルコンピューティング

今年の工学部みらい工学プロジェクトの「フィジカルコンピューティング」では、入学したばかりの1年生を対象とした「フィジカルコンピューティング」では、実際に動くものを作ることによってものづくりの楽しさを味わうと同時に、実際のものづくりの現場でも通用する実践的な創造力、モノづくりの感、プログラミングの能力を養うという、面白くてタメになる授業を展開しています。その成果発表会の様子を工学部スマートシステム学科(フェイスブックはこちら)の伍賀が報告します。

 

今年度の授業も、前半は micro:bit を使った遠隔授業を実施し、中盤以降少人数のグループに分かれ、グループごとのテーマで協働ワークを行うという形式で進めてきました。7月の最終週に各グループの成果発表会を開催し、各々の面白いテーマの紹介を行いました。

遠隔授業によるトレーニングと、チームに分かれた協働作業とを実施し、報告会を開催するのは、昨年に続いて2回目になります。今年度は、工学部4学科の1年生混成の5チームで、マイコンやCAD・3Dプリンタ等を駆使したものづくりを行いました。

昨今、4枚プロペラのドローンが人気ですが、段ボールを素材としてプロペラとリモコンを組み込んだリモコン飛行機の製作も動画で多く紹介されています。これを参考に、プラスチック段ボールの素材を工学部棟にあるレーザー加工機で切り出して本体を製作し、これをリモコン化するというテーマに取り組んだチームがありました。下の写真のように、かなり大型の機体を製作し、実際に飛行するまでの完成には授業期間中には至りませんでしたが、夏休み中の作業でなんとか完成しそうなところまでできました。

プラスチック段ボールでリモコン飛行機機体を製作

次に、昨年、有線式のレスキュークローラ、つまり災害救助ロボットを無線式に改造したチームがありましたが、あるチームは今年もそれを引き継ぎ、micro:bit の通信機能を活用して無線操縦レスキュークローラの製作に取り組みました。こちらはレスキュークローラ本体の製作に手間取りましたが、秋の三蔵祭の展示には無線操縦レスキュークローラの展示ができそうです。

micro:bit で無線操縦レスキュークローラ製作

「デジタルファブリケーション」で注目されている3Dプリンタ。工学部棟には、昨年度から10台以上の3Dプリンタが稼働する設備が設置されています。下の写真の2チームは「3Dプリンタで何か作ろう」というテーマで活動しました。大学に来れない時期は、FreeCADを活用し自身のPCで設計を行いました。また、3Dプリンタで製作した手裏剣とmicro:bit の振動検出機能を組み合わせや「的当てゲーム」製作を行いました。

3Dプリンタで8角形の曼陀羅模様ケースを製作

3Dプリンタで製作した手裏剣で的当てゲーム(左はスチロールの的)

さらに別のチームは、micro:bit の音声機能を活用するため、3Dプリンタで鍵盤を製作し、組み合わせて電子オルガンを製作しました。1音階だけですが、黒鍵もあってなかなかの力作です。

micro:bit を組み込んだ電子オルガン

今年度前期の「みらい工学プロジェクト」も、登校の制約があるなど限られた条件や環境でしたが、遠隔授業やデジタルなものづくり手法を導入し、学生の皆さんで面白いプロジェクトを遂行してくれたと思います。また、ICT教育の側面では、昨年から開始された遠隔授業の掲示板やクラウドを活用する方式で、過去のデータの再利用がスムースであったことが利点です。翻って、実際に手を動かしたり、泥臭くものづくりをするという風潮が弱くなっていますので、それらとのバランスを取りながら成果を出すのが今後の課題です。新入生の皆さんに工学のエッセンスを伝えられるように、われわれ教員もコンテンツの改良を目指します!

授業最終回では、このように成果報告会を行いました

 

 

学長から一言:学部内で簡単に使える数多くの3Dプリンタをはじめとして、各種の最新機器を駆使して、思い思いの作品を制作できるのは、ものづくり好きにはたまらない魅力の授業ですね。作品が思い通りの動きをした時の喜びは何ものにも代え難く、制作過程での苦労も吹っ飛ぶことと思います。学科としても、次年度の新入生のために、いっそう上質のプログラムを開発してください。

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