【海洋生物科学科】サイエンス・トーク “Blue in Green” 第2弾「水族館で調べるイルカの “こころ”」(山本講師)
蝉時雨がキャンパスに響く7月25日(月)のお昼休みに、未来創造館において「サイエンス・トーク 第2弾 」が開催されました。その模様について、海洋生物科学科学長室ブログメンバーの阪本がお知らせします。
サイエンス・トーク第2弾
福山大学グリーンサイエンス研究センターでは、これまで第一線で活躍する研究者などを招いて“グリーンサイエンス・セミナー”を行ってきました。このセミナーは専門的な内容で、主に教員や大学院生を対象に行ってきましたが、今年度は学部学生なども対象に、気軽にわかりやすくサイエンスについて語る“サイエンス・トーク”を企画しました。第1弾の「“神の眼”をもつ鬼才クラゲさん~“記載” 分類学の究道~(泉講師)」に引き続き、今回は第2弾「水族館で調べるイルカの “こころ”」です。
山本知里講師の流れるようなイルカのはなし🐬
イルカが大好きで、研究者の道へと進んだ山本知里講師・・・。若き日(今でもお若いですが♬)の“将来の夢”は「イルカのトレーナーになること」だったとの語りが始まり、流れるような口調でサイエンス・トークが進みました。
山本講師は、イルカの行動や認知の研究から、イルカの “こころ” を調べています。これまでに、下関市立しものせき水族館「海響館」や、いおワールド「かごしま水族館」で飼育されているハンドウイルカに対して行動観察や認知実験を続けてきました。そして、ラビング(Rubbing,胸びれで擦る友好的な行動)と呼ばれる個体間の触れ合いや、個体間の協力行動など、イルカの世界における “お付き合い” と “仲間意識” について紹介されました。「イルカはラビングをしてもらいたがる、つまり擦ってもらいたがります。ただし、イルカは擦ってもらったらきちんとお返しをします。また、2頭で一緒に取り組む協力課題では、後からくる相手を待つことができます」etc…。ご自身の研究例を交えたお話はとても解りやすく、豊富な写真や動画を活用して、私たちの “こころ” をDolphin World🐬へと誘いました。
サイエンス・トークの最後には、参加した学生や教職員からさまざまな質問が飛び出して、皆さんの関心の高さが窺えました。
どの質問にも真摯に応える山本講師のしなやかさは、まるで水中を優雅に泳ぐイルカのようでした🎵 これからも研究成果が期待される山本講師のサイエンス・トークでした🐬
今年度、山本講師の研究室の所属になった4年生が、かごしま水族館でのイルカの観察に取り組み、卒業研究を進めています。「がんばってねっ!!」
次回のサイエンス・トーク第3弾の予告
第3回のサイエンス・トークは、沿岸生物の研究者である金子教授による「海辺にある極限の環境に生きる生物」の話です。次回の講演も乞うご期待です♬ 学生と教職員の皆様の参加をお待ちしています。
学長から一言:山本知里講師、先日のイルカの生態に関するトーク、お疲れ様でした。たくさんの立ち見が出るほどの盛況で、サイエンス・トークの面白さがジワジワと評判になってきたのでしょう。聴衆の一人だった私も、滑らかな語り口に思わず引き込まれました。愛嬌があり、フレンドリーなイメージしかなかったイルカに意地悪なところもあることなど、興味深い話題がぎっしり詰まっていて、時間の経つのを忘れました。