【税務会計学科】日商簿記2級合格者大幅増加 ―令和3年度実績報告―
2021(令和3)年度が終了し、学生たちの簿記検定へのチャレンジも一定の結果が出ました。今回はこのことについて、税務会計学科学長室ブログメンバーの関下が報告します。
2022(令和4)年3月31日現在で集計したところ、把握する限りで43名の日商簿記各級の合格者(経済学部・人間文化学部)が生まれました。この結果は2019(令和元)年度の42名を上回り、2018年以降で過去最高の合格者数となりました。これは学生本人たちの頑張りもさることながら、まわりで支えた大学各部局の教職員の皆さんの協力に依るところが大きく、深く感謝を申し上げる次第です。
税務会計学科の4年生の簿記資格取得率も45.7%となり、5割近傍に近づいたこともここ数年の取組みの成果と言え、学科の魅力につながることを期待しています。
昨年度は、新型コロナウイルスの影響をまともに受けた一昨年(2020年度)の経験を踏まえ、簿記対策講座も実施することができました。各講座を実施するタイミングは概ね良かったものと思われます。しかし、最後の2月は感染拡大で初めて途中中断を余儀なくされました。ただ、講座は途中中止になったものの、答練(繰り返し模擬試験問題を解く練習)に熱心に取り組む学生が多かったため、合格に結びついたものと考えています。
特に、昨年度の特徴としては、2級合格者が大きく伸びたことです。考えられる理由としては、①これまでの3級合格者の積み上げ、②ネット試験による受験機会の増加、それに伴う受験回数の増加、③日商簿記検定試験時間の変更(試験時間120分→90分)による難易度の低下、などがあるものと思われます。特に、合格者が10倍になったネット試験は、試験結果がその日に分かり、不合格だったとしても再起への時間が短くて済むという大きなメリットがあります。合格まで何度も受験する学生が現れるなど、検定への取組みの変化が見て取れました。
一方で、今後の課題も浮かんできました。それは2級合格者が伸びた反面、3級合格者が思うように伸びていないことです。これは、昨年6月の統一試験から3級の問題形式の変更、試験時間の削減(120分→60分)による影響が考えられます。特に、試験時間が半減したことは、じっくり考える余裕がなくなったことになり、問題への取組をスピード重視へと変える必要があります。
本年度も、6月に第161回日商簿記検定が本学を試験会場として実施される予定です。対策講座も4月23日(土)からすでに開始しており、これらを通じてさらなる学生のチャレンジを後押ししていきたいと考えています。
学長から一言:日商簿記の合格者、しかもより上位の2級の資格を獲得する学生諸君が増えているようです。検定試験の受験を目指した対策講座を課外に開催し、受験準備を支える体制が整ってきたことの成果が目に見える形で現れたものでしょう。経理や会計の職務に従事し、あるいは企業等の経営に携わる場合に必須のツールである簿記の知識が、税務会計学科の学生をはじめとして、さらに広く身に付いていくことを願っています。