【情報工学科×メディア・映像学科】本学のデジタルトランスフォーメーション(DX)の事例について国際会議で発表!
福山大学では、教職員が情報システムを使った業務の効率化について様々な工夫を行い、その成果を発表しています。このことについて、情報工学科の山之上、メディア・映像学科の渡辺・田中から紹介いたします。
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事務手続きは、大学運営にとって重要な業務です。日本では、情報システムを使った事務手続きの効率化が1960年代から始まっています(https://museum.ipsj.or.jp/computer/ofos/history.html)が、2022年の現時点では紙と印鑑を使った事務手続きが多く残っています。情報システムを使うことで、もっと簡単に、もっと速く事務手続きができるのではないかと思うことがあります。
2021年に日本政府のデジタル庁が創設されたように、事務手続きを含めたあらゆる業務の情報化、デジタルトランスフォーメーション(DX)は組織を存続するためには必要不可欠な活動となりつつあります。
福山大学では、2016年にクラウド上でメールの読み書きやファイル共有や共同作業等を可能にするOffiice365が導入されました。2019年頃からOffice365を使ったDXについて、教職員のボランティア組織で議論を始めていました。
2021年に、学長から学内の事務手続きの一つの情報化についての打診があり、このボランティア組織とその事務手続きの担当部署と協力して、その事務手続きの情報化システムを開発し、実運用直前までこぎつけています。また、本学では他にも教職員が情報システムを使った業務の効率化について様々な工夫を行っています。
日本時間の4月6日(水)の朝、オンラインで開催された国際会議で、これらの工夫について発表しました。この発表に対して、数多くの「すばらしい」というコメントをいただきました。質疑応答の中で、「Office365の使い方について参加者間で共有しよう」という提案がありました。
本発表の内容については、ACM(Association for Computing Machinery)のDigital Library に格納されており、以下のWebページでその内容を読むことができます。
https://dl.acm.org/doi/10.1145/3501292.3511578
この国際会議は、コンピュータに関する世界的な学会であるACMの、高等教育機関のICTサポートに関する研究会SIGUCCS (The Special Interest Group on University and College Computing Services) が主催した会議で、昨年は福山大学の新型コロナウイルス感染症対策に関する発表(https://dl.acm.org/doi/10.1145/3419944.3441219)を、2019年には福山大学のアセスメントポリシーに関する発表(https://dl.acm.org/doi/10.1145/3347709.3347821)を行っています。今年も、アメリカや日本の大学における新型コロナウイルス感染症の影響に関するICT活用の様々な発表が行われるなど、参加することで有益な情報を得る機会にもなっています。以下のWebページでこの会議で発表された論文のタイトルや概要を読むことができます。
https://dl.acm.org/doi/proceedings/10.1145/3501292
学長から一言:日々多くの文書が起案され、決裁に向けて承認の押印を得るために各関係部署に回されます。例えば、学生を校外の実習に引率して行く場合の計画申請の文書。かねがねこれに要する手間暇を何とか省けないものかと感じていました。情報処理に強い教員諸氏に諮ったところ、デジタル化の工夫に積極的に取り組む人たちが現れました。実際に試用してみては不便な点が見つかるたびに必要な修正を施し、ついに一つのシステムとして完成を見たようです。専門学会で情報のプロたちからも好評を博したようで、嬉しい限りです。