【心理学科】こころの健康相談センターでオンライン研修会を実施!
心理学科には、附属施設として「こころの健康相談センター」があります。コロナ禍で活動が制限されていましたが、この度、無事に研修会を執り行うことができました。この研修会の様子について、心理学科の山崎理央教授からの報告です(投稿は学長室ブログメンバーの大杉です)。
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心理学科の山崎です。心理学科の附属施設である「こころの健康相談センター」でセンター長を務めています。
キャンパス内の23号館にある当相談センターでは、地域社会の人々への心理相談・支援業務のほかにも、研修の業務を行っています。一般の方々や、心理臨床に関心・関わりのある方を対象とした研修会を、前身の「こころの健康相談室」の時代から2年に1回のペースで実施しています(過去の研修会についてはこちらのページの下部をご覧ください)。先月の13日(日)に、臨床発達心理士会 中国・四国支部との共催で研修会を開催しましたので、その様子を紹介いたします。
今回の研修会については、地域の教育機関や福祉施設を中心にご案内したほか、臨床発達心理士会からは全国の方から申し込みがあり、福山近辺・中四国地方はもとより、北海道から関西も含め、全体で約140名の方に参加いただきました。
実は、2018年度に「相談室」から「相談センター」になったのを機に、センター開設記念の研修会を予定していたのですが、2018年7月は西日本豪雨の発生のため中止、2020年 3月はコロナ禍が始まったことにより中止となり、合計で2回の中止を余儀なくされた経緯がありました。
2021年度、3度目の正直で改めて開催を企画。コロナ禍がまだ続いていますので、今回は初のオンライン実施として、Zoomミーティングを利用しての開催となりました。
講師には、障害児教育の研究および実践に精力的に取り組んでいらっしゃる宮崎大学大学院教授の立元真先生をお招きしました。
「ペアレント・トレーニングの実践と課題」のテーマで、3時間たっぷりの研修を拝聴しました。
ペアレント・トレーニング(略してペアトレ)は、子どもが望ましい行動を学べるような働きかけを促すために、親が子どもと接する中での療育スキルを身につけることを目指す方法として着目され、取り組まれています。
<ペアトレについてお話しくださっている立元先生>
<ペアトレに関してさまざまな書籍が出ています>
立元先生のお話は、とても具体的で実践的な内容でした。親、家庭というのは子どもにとって、いちばん身近な環境です。親御さんが小さなことに着目して、たとえば上手にほめて関わっていかれることによって、お子さんの自信につながります。そして、親子の気持ちのよい関係が、いい方向に循環していきます。
<ほめ方のポイントも伝授いただきました!>
ペアレント・トレーニングの実践には、もちろん、しっかりしたトレーニングが必要であり、当相談センターに携わるスタッフである教員・実習生は、ペアレント・トレーニングに限らず、そのことをしっかり肝に銘じて、よりよい臨床実践を目指して研鑚していく必要性を感じた研修でもありました。
一方で、今回は専門家の方だけでなく、一般の参加者の方も含めて、何らかの形で対人的なさまざまな支援に携わっていらっしゃる、あるいは高い関心を持っていらっしゃる方々が多く参加くださっていたと思います。ですから、今回の研修を通じて、明日からの臨床実践、または身近な関係の中での関わりに向けて、広い意味でも、モチベーションを刺激していただいたように思います。
研修の後半では、質疑応答も活発になされました。また、終了後に参加者の方々から回答をいただいたアンケートでは、
- 「知識を実践に活かすことの重要性も再認識することができました。」
- 「理論から実践・効果まで学習することができ大変良い勉強になりました。」
- 「オンラインのおかげで、遠くにいても貴重なお話が聞けました。」
など、たいへん好評をいただきました。
講師の立元先生、それから参加くださった皆さまに、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。また、共催いただいた臨床発達心理士会 中国・四国支部のスタッフの皆さまにも、お世話になりっぱなしでした。おかげさまで無事に開催することができました。ありがとうございました!
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子どもとどう関わっていくべきかを親や専門家がきちんと学んでいくことは、とても大切だと感じます。私も日々の生活の中に活かせる話ばかりで、大変勉強になりました!有意義な研修会、また2年後も楽しみです。地域の皆さんも、次回研修会にぜひご期待ください!
学長から一言:コロナ禍のために長らく開催できずにいた研修会が、心理学科附属の「こころの健康相談センター」の尽力によりオンラインで実施され、参加者から大好評だったようです。準備や実際の運営はたいへんだったでしょうが、対面であれば参加者が限られるところが、「災い転じて福と成す」と言うか、参加者の人数も地理的範囲も却って拡大したのではないでしょうか。