【薬学研究科】博士(薬学)誕生!学位記授与!
臨床の現場で薬剤師として活躍している本学卒業生が、今春、新たに博士(薬学)学位を取得しました。薬学研究科長の町支教授から届いた報告を、薬学部学長室ブログメンバーのY.Sが紹介します。
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新型コロナウイルス感染症対策を十分に講じた上で、卒業生・大学院修了生への学位記授与式が3月20日(日)に2部制で執り行われ、今年も839人の若人が大学を巣立っていきました。これに加えて、今春、新たに博士(薬学)学位の論文博士号の取得者も誕生しましたので、薬学研究科長の町支臣成が報告します。
岡田昌浩さんが本学薬学研究科に学位請求論文を提出し、博士(薬学)の学位を取得されました。岡田さんは、2007年に本学薬学部を卒業後、2010年より尾道市民病院に勤務されています。同薬剤部で、日々、薬の専門家として忙しい業務の中で、医師や医療スタッフと連携しながら薬剤師の視点からの患者への対応について研究され、国内外の学術雑誌に研究成果を発表して来られました。そして、これまでの成果をまとめ「終末期がん患者のquality of life(QOL)維持における薬剤師による予後予測指標を用いた処方適正化」と題する学位論文を完成されました。その後、所定の審査にパスしての学位取得です。
この論文の根底には、薬剤師として患者さんの薬物療法に貢献したい、なんとか患者さんの生活がより良い生活になるよう支援したいという精神が流れています。日々の薬剤師としての大切な業務から生まれてきた研究です。
これまでにも本学で博士学位を取得された卒業生はいましたが、臨床現場で働く薬剤師としての学位取得は今回が初めてになります。論文博士号の授与式は慣例として学長室で行われますので、全学の学位記授与式の当日、岡田さんの他に、論文作成を指導した前田教授と私とで学長室を訪問しました
「博士(薬学)」とは、高度な専門性、能力、人間性を身につけた者で、将来の医療薬学を支える指導者、教育者、研究者であることを証明するものであり、これまでの業績を認めて今後のさらなる発展、貢献を期待するものです。今、まさにその博士となり、晴れ晴れとした表情の岡田博士でした。学長室では大塚学長、鶴田副学長、平副学長とともに、学位論文の概要説明や完成までの苦労話に暫し花が咲きました。
博士となられた今、岡田さんにはさらなる活躍が期待されています。おめでとうございます!!そして、今回の岡田さんの学位取得は、臨床現場で働く本学卒業生のモデルケースになると思います。
薬学部・薬学研究科としては、これからも患者さんを守るために現場を支援し、一人でも多くの患者さんのQOL、つまり生活の質の向上に薬学的に貢献していきたいと思います。また、是非とも多くの卒業生に博士学位取得に挑戦していただきたいものです。
学長から一言:病院でのがん薬物療法認定薬剤師としての多忙な仕事に従事する傍ら研究を続け、その成果を学位請求論文にまとめ上げ、見事に論文博士号を取得された岡田昌浩さんに対して、心から祝福したいと思います。論文の内容は、終末期のがん患者への薬剤師としての対処の仕方に関するものとの説明を受け、生の最後の残り火が消えかかっている患者さんの生活の質を少しでもより良く維持するための多くの配慮や知恵が盛り込まれていることを知りました。こうした研究に学位を出すことができたのは、本学として誇りに思えたことでした。