【薬学部】薬剤師の生涯教育:第44回福山大学薬学部卒後教育研修会を開催!

【薬学部】薬剤師の生涯教育:第44回福山大学薬学部卒後教育研修会を開催!

2月19日(土)午後、未来創造館2階大講義室において、「時代を拓く新しい薬剤師像への挑戦」をテーマとして掲げ、44回目となる卒後教育研修会が2名の講師を迎えて開催されました。杉原成美教授による報告に基づき、学長室ブログメンバーの薬学部・五郎丸が投稿します!

医療の進化は目覚ましいことから、薬剤師は国家資格を取得した後も、日々進化する医療に立ち遅れないために研鑽を積み続けることが求められます。福山大学薬学部は卒業生に学修の機会を生涯に亘って提供し、応援し続ける卒後教育研修会を平成5(1993)年度から開催しています。この卒後教育研修会は、本学薬学部と卒業生を繋ぐ貴重な機会となっています。

 第44回福山大学薬学部卒後教育研修会の案内

昨年度は、コロナ禍のため開催を見送らざるを得ませんでしたが、今年度は、これまでの対面式の集合型研修に加えて、Webによる遠隔視聴を導入し、コロナ禍においても開催できる環境を整えました。懸念が的中し、オミクロン株による第6波の襲来により、広島県はまん延防止等重点措置の対象県になったことから、Web形式のみで実施しました。Web形式の導入は、低迷していた卒後教育研修会への参加者数を大幅に増やしました。遠方に住んでいる卒業生も参加できるWeb形式の導入は、本学薬学部と卒業生を繋ぐ上において大きな意義があると考えられました。

本学薬学部が主催している卒後教育研修会は、日本薬剤師研修センターおよび日本病院薬剤師会の認定研修会であるため、認定薬剤師になるために必要な単位を取得することができます。本学薬学部は薬剤師の生涯教育に広く貢献するために、卒後教育研修会を他大学の卒業生にも公開しています。Web形式により単位取得が可能な認定研修会として開催するためには、環境設定と様々な情報収集が必要でした。聴講者のログイン、ログアウト時刻の記録、視聴を確認するためのキーワードの設定とそのチェック、認定シール郵送先の把握、認証シール番号と薬剤師番号の一覧表の作成などです。これらの情報収集と環境設定は、研修委員会のメンバーが力を結集してチームワークで乗り超えました。また、広島県薬剤師会や本学薬学部の同窓会からも協力をいただきました。

第44回薬学部卒後教育研修会の最初の講演は、江藤精二教授が座長を務め、佐藤雄己教授により「専門薬剤師によるがん治療への多角的アプローチ~がん治療におけるファーマシューティカルケアの実践と臨床研究の推進~」という演題で行われました。目まぐるしく進展するがん医療において,高度な専門性を兼ね備えた「専門薬剤師」の果たす役割は大きく、薬剤師による研究活動はエビデンスの創出と良質なファーマシューティカルケアの実践につながることから、「専門薬剤師」の備えるべき資質として積極的に研究を実施する能力が求められていることや、がん医療において「専門薬剤師」がどのような多角的アプローチを行うべきかが提言された講演でした。

講演中の佐藤雄己教授

座長の江藤精二教授(右)と 質疑応答中の佐藤雄己教授(左)

次に、森田哲生教授を座長として、日本薬剤師連盟副会長の神谷まさゆき氏が演題「医療を取り巻く環境と薬剤師~今後の薬剤師に期待されることを考える~」を講演してくださいました。神谷まさゆき氏は、日本の薬剤師の将来を担う人物として大きく期待されている本学薬学部の卒業生です。神谷氏は無観客の会場でもよいので母校で講演し、その映像を配信することを希望されましたが、コロナ禍によりそれが叶わず、愛知県豊橋市にある神谷氏の事務所からZoomで講師を務めてくださいました。高齢者が可能な限り住み慣れた地域でその有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるよう「地域包括ケアシステム」が、2025年までの完成を目指して整備が進められています。その「地域包括ケアシステム」において薬剤師や薬局に求められている役割や、その先にある薬剤師像、薬局の未来像について、令和元年の“医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部改正に関する法律”を基に、令和2年9月1日に施行された“薬局の定義の改正”、“医薬関係者の責務の改正”、“薬剤師の業務の見直し”の意味を読み解き、講演を行ってくださいました。

座長の森田哲生教授による神谷まさゆき氏の紹介

Zoomで講演中の神谷まさゆき氏

第44回薬学部卒後教育研修会は、Web形式を初めて導入して行い、大きな手応えを得て無事に終了しました。聴講者の多くの方から、Web式研修会を今後も希望する要望を受け取りました。次回の卒後教育研修会は、コロナ禍が収束した中で行われることを願ってやみませんが、コロナ禍後においても、Web形式は是非とも継続させたいと考えています。

最後になりましたが、本研修会の開催に際してご尽力ならびに協力くださいました方々に対し、御礼と感謝を申し上げます。

未来創造館2階大講義室における第44回卒後教育研修会終了後の集合写真

 

福山大学薬学部卒後教育委員会

村上信行、五郎丸剛、中村徹也、広瀬雅一、竹田修三、大西正俊、藤井早由利、杉原成美

 

 

学長から一言:「面倒見の良い教育」を実践する本学薬学部のまさに真骨頂を見るようです。卒業後も引き続き指導を忘れず、日進月歩の薬剤師の仕事をサポートする卒後教育研修会。第一線で活躍中の本学卒業生も講師陣に招き、また、専門機関によって公認された認定研修として、本学のみならず他大学の出身者にもリカレント教育の機会を提供する徹底ぶり。コロナ禍対策で否応なしに導入したWeb開催は認定講習の条件を満たすために、視聴実態の確実な把握という仕事が加わり、大変さが想像できます。しかし、却って広範な地域からの受講者の増加が見られ、大好評だったようですね。アフターコロナ期にも是非とも続けて行きたいものです。

 

 

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