【建築学科】建築家による卒業設計批評会を開催!!
建築学科では毎年、学部4年間の学修の集大成である卒業設計作品を、建築家の方々に応援メッセージを含めて批評をしていただいています。大島教授からのリポートについて、学長室ブログメンバーの伊澤が紹介します。
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毎年、学内の卒業設計の最終審査会が終了した後に、地域で活躍されている建築家の方々を招いて批評会を開催しています。今回の「建築家による卒業設計批評会」は、2月22日(火)13時からZOOMで開催されました。13名の学生が参加し、建築家として今川忠男様、河口佳介様、後藤亜貴様の3名の方々に参加して頂きました。コロナ禍による入校制限により、学内での模型製作ができなかったため、図面のみで批評会を行いました。
この批評会は、作品を手掛けた4年生が批評内容を参考にしてその後の糧にするとともに、聴講した1~3年生の意欲向上を促進することも目的としています。批評会に参加した学生の作品は、その後に開催される「広島平和祈念卒業設計展」と、次年度の「福山大学卒業設計展」にも出展することになります。当批評会は、卒業設計を通して在学中に自分の作品を残すという学生の意欲に応えるため、それら学外展示と並ぶ重要な行事として位置づけられています。
批評会は、昨年同様に3時間30分に及び、学生によるプレゼンテーションも学内の最終発表会時より上手くなり、成長が感じられ、時間の経過も忘れるほど有意義な時間を過ごすことができました。
以下が、今年度の参加作品(学生番号順)です。
1.秋本大輝 万蝶楽-府中市におけるオオムラサキ養育計画-
バタフライ効果という気候現象の理論をヒントにしてデザインした作品
福山伏見町を敷地に現代の問題点解決に対し
堀や石垣等歴史の現代的読替えによってデザインした作品
3.井手陸人 終末期 都市に生きるホスピスと芸術センターの併設
終末の場であるホスピスと音楽ホールを併設した都市的環境との関係に着目した作品
神話や幾つかの神社等がある出雲という場所でしか成立しない建築と空間を扱った作品
5.金田玲 増殖する建築 ―福山駅南側における学びのある広場計画―
福山駅前にボックスという増殖可能な小さい単位の集合体による学び空間をつくる作品
祭りと都市との関係分析からスケードボードの市民権獲得のプロセスをもとに
新たな祭りの場と公園づくりの作品
旧広島市民球場跡地に「水」をテーマにした戦後の復興の象徴となる空間づくりの作品
木材産業と利用法の学ぶ場と新たな製品・技術の開発普及の場をつくるための作品
都市と田園との関係という汎用的テーマを造形的にもダイナミックな手法で提案した作品
地域、SDGs、福祉の 3 つのキーワードをもとに「おび」の特性によってデザインした作品
境港市の定住促進のために海と街の境に立地する特性を生かして波の形状をもとに計画した作品
従来の機能分化によってできた単一機能の「団地」に対して持続可能性を実現するための作品
福山駅とその周辺の問題点解決のために「風」をテーマに
デッキ・プレート・ルーバーという水平部材によって構成しデザインした作品
今年度も昨年同様に多種多様なテーマをもとに設計された作品がみられました。参加した4年生は非常に熱心に取り組み、優秀な作品をつくられたと思います。卒業後も、それぞれの分野で建築の専門家として活躍していくことを期待します。
学長から一言:夢と現実の間を漂う気分にさせてくれる作品群に思わず引き込まれました。近隣の風景に溶け込んで、すぐにでも実際に建設されれば、さぞかし好評を博すことだろうと思うものや、神秘感さえ感じる作品など傑作揃い。このブログ掲載の写真だけでは堪能できず、是非とも実物を間近に見て、できれば卒業設計の発表時にそれぞれの設計者から直接説明を聞いておけば良かったという気持ちになりました。