【生物工学科】ローズマインドで学長賞を受賞!
福山バラの酵母プロジェクトを推進している生物工学科の久冨泰資教授が学長賞を受賞しました!これまでの長年の基礎研究とその応用が地域にも波及した成果が認められたものです。このことについて、学長室ブログメンバーの吉崎が投稿します。
ローズマインド
生物工学科の分子生物学研究室(久冨泰資教授)は、地域ブランドの確立を目指して産学官連携で「福山バラの酵母プロジェクト」を推進しています。以下に見られるように、これまでにもバラ酵母がらみの多くの話題を提供してきました。
・蔵元天寶一から清酒ローズマインドを発売!~福山バラ酵母プロジェクト第4弾~
2025年に世界バラ会議福山大会を開催する福山市は、「ばらのまち福山」を広く社会に発信するために、ローズマインドという合い言葉を普及させています。ローズマインドとは、市花であるバラを育み愛でることを通して、「思いやり 優しさ 助け合いの心」にあふれた街づくりを進めたいという願いでもあります。
久冨研究室では、酵母の基礎的な研究力(Yeast #1, Yeast #2)をベースにして、福山で栽培されたバラの花から野生の酵母を分離し、その生物学的な特性を明らかにする(Mycoscience)とともに、地域発の新たな発酵食品を生み出すプロジェクトを進めています(朝日新聞、中国新聞)。
研究成果有体物提供規約(MTA)に基づいて、相手企業とライセンス契約を締結し、これまでに真っ赤なバラのミスターリンカーンから分離したリンカーン酵母を用いて、パン種、ワイン、日本酒、クラフトビールを世に送り出してきました。
これらのプロダクトには、福山から世界に希望を発信する思いを込めて、ハートであしらった赤いバラのデザインを携えて「ローズマインド」と命名しました。日本酒とクラフトビールは、晴れて本年度の福山ブランドにも選出されました。
学長賞受賞
このたび(2月21日)、「福山バラの酵母プロジェクト」を通して、福山大学の研究力・教育力・地域貢献力を高める大きな功績を挙げたことに対して、久冨教授へ教員表彰(学長賞)が授与されました。
地域の宝である微生物(酵母)を発掘して、堅実な研究・教育を進めることで、人々の喜びに貢献できることを深く感謝したいと思います。
学長から一言:バラの花から抽出に成功した酵母を活かした数々の酒類や食品は、今やすっかり福山の名物の感があります。その生みの親である久富教授の表彰は、いささか遅すぎるくらいのタイミングでしたが、表彰状を贈る側としても実に誇らしく、晴れがましいことでした。全学教授会に先立つ表彰式の写真は、ウイルス感染防止で三密を避けるため閑散として見えますが、広い大学会館大ホールに集まった全教員が祝福しました。さあ、次はどんな斬新な科学的発見がもたらされることでしょう。楽しみです。