【生物工学科】東村葡萄園での栽培とワイン醸造の1年が終了!
今年度から本格稼働している福山大学東村葡萄園(2019年開園)では、生物工学科2年生対象の果樹栽培加工実習を進めています。9月に報告した収穫のその後のワイン醸造とブドウ園作業について、福山大学ワイン醸造所長の吉崎がお伝えします!
赤ワイン醸造実習
東村葡萄園では、学生実習の一環でマスカット・ベーリーAを栽培しています。今年度は夏休み中の9月7日に一斉収穫を行いました。後期授業が始まるまで時間があったため、いったん冷凍保存をし、それを解凍して赤ワイン醸造実習の原料としました。
実習では8班に分かれ、12.5kgずつ計100kgの仕込量です。自分たちで育てたブドウですので、思い入れもひとしおです。
赤ワインは果皮と一緒に仕込むことで、酵母がつくるアルコールによって色素が抽出され、深い赤色のお酒となります。あまり漬け込む時間が長いと苦みなどが出てきますので、適当なところで果皮を除きます。現在は冒頭に掲げたアイキャッチ画像のように瓶に詰め、熟成を待っている段階です。
収穫したブドウは約400kgありましたので、残りは卒業研究の一環として醗酵科学研究室の4年生が仕込みを行いました。こちらは110Lのタンクを用いて、より本格的なワイン醸造です。
果皮を絞る作業はとても手ではできないので、写真のような搾汁器を使います。おいしそうな液体が流れ出てきます。
ブドウ樹の剪定作業
さて、ブドウ栽培は収穫したら終わりではありません。春に芽が出るまでに行う作業がいろいろとあります。冬の間に行う作業の1つに剪定があります。ブドウは春に新しく伸びた枝に実が付きますので、今年実が付いた枝はすべて切り落とす必要があります。
主幹に近い、春に新芽を付ける部分を残して写真のようになりました。すっかり見晴らしが良くなって、気分も一新されます。皆で作業すればあっと言う間に終わりますね。
後は肥料撒きですね。なんとも残念なことに、広島県にまん延防止等重点措置が出て、後期はほとんどの授業が遠隔となってしまいました。遠隔では肥料は撒けませんので、これは近々教員でやることにします・・・。
今年度は緊急事態宣言などもあり、計画通りいかないこともありましたが、なんとか一通りのメニューを終えることができました。やはり見ると聞くとは大違いで、ブドウ栽培とワイン醸造を実際に経験しての気付きも多かったと思います。学生の皆さんが今後の学習や研究に活かしていって欲しいですね。
学長から一言:コロナ禍で行動が制限される中でも何とか工夫し、本学の東村葡萄園で丹精込めて育てたブドウが美味しいワインに生まれ変わるのが待ち遠しいですね。1年を通しての作業は大変だったでしょうが、学んだことはきっと計り知れないほど多く、将来関連の仕事に就く人にも、そうでない人にも一生忘れられない思い出になるでしょう。二十歳を過ぎた皆さんは、出来上がったワインで乾杯するのを楽しみにして下さい。