【薬学部】和ごころ、対面式の認知症カフェ再開に向けた取り組みに貢献!
松永近隣の住民が待ち望んでいた認知症カフェ(café GETA:カフェゲタ)が、8ヶ月ぶりに再開されました(11月4日)。再開に向けて尽力してきた薬学部の学生ボランティア「和ごころ」の活動について、薬学部の道原が報告します(投稿は薬学部のGo.です)。
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発足から5年目(2017年9月開始)を迎えるcafé GETAは、薬剤師、地域包括支援センター職員(地域包括)、介護福祉施設職員(介護職者)が委員会を立ち上げて設立した認知症カフェです。発足時、薬学部の教員・薬学生が実行委員長からの依頼を受けて参加し、その後、有志が学生ボランティアチーム「和ごころ」を結成し、現在も継続的に活動を続けています(現所属学生:4年生3名・5年生3名[実行委員兼任学生1名]・6年生5名)。
2020年4月から、コロナの影響によりcafé GETAも中止を余儀なくされました。しかし、8月以降、café GETA再開を願う地域住民の声が実行委員長の耳に届くようになりました。その願いを受け、12月に実行委員会をZoomを使った遠隔で行い、「健康チェック・人数制限・三密回避・消毒」を周知徹底し、再開に向けて取り組んでいくことになりました。1月のシュミレーションを経て、2月と3月に実施することができたのも束の間、またしてもコロナの影響(第4波)により、2021年4月以降の開催中止が決定してしまいました。
「和ごころ」メンバーは、2020年12月から2021年3月までの「対面式認知症カフェ再開に向けた取り組み」を論文として発表し(『認知症ケア事例ジャーナル』[2021年9月]、筆頭著者・責任著者は下記のとおり学生です)、対面式認知症カフェの重要性とコロナ禍における実施準備・方法等を示しています。ジャーナルのコメント欄に、「今回の成果はコロナ禍での認知症カフェ運営に必要な準備と時間の目安となる貴重な資料になる」ことが書かれていました。学生たちがまとめた内容は、今後のcafé GETA再開だけでなく、多くの対面式認知症カフェ再開に向けた取り組みに利用されることが考えられます。素晴らしい!エクセレント!
認知症ケア事例ジャーナル vol.14-2 155-159(2021年9月掲載)
コロナ第5波も落ち着き、zoomによる実行委員会を経て、11月からcafé GETAの再開が決定しました。9月からポスターの作成を始めていきました。
いよいよ、待ちに待ったcafé GETA再開当日(11月4日)を迎えました。スタッフ6名(薬剤師、地域包括2名、介護職者、薬学部教員、薬学生)、予約済みの参加者5名の計11名で再出発です。
1人目の参加者がカフェを訪れました!消毒、健康チェック、よろしくお願いします。受付で話が盛り上がっていますね!久々のcafé GETAで話が尽きないようですよ。
最初に11名が、各自の自己紹介と今年一番楽しかったこと、あるいは楽しみにしていることを話しました。介護職者の方が「今年一番嬉しかったことは、息子が全国大会(野球)に出ることが決まったことです」と言われたとき、全員が拍手喝采で、みんな自分の身内のように喜びを分かち合いました。努力が報われる話を聞くと、なんだか心が豊かになりますね!
次に、地域包括支援センターの職員の方が企画を行いました。広島の方言を言って、みんなで「あてっこ」してみました。
ゆったりとした談話から始まり、今までためにため込んでいた物が押し流されるように会話が加速していきました。
最後は、健康増進を目指し、みんなで365歩のマーチの歌に合わせて体操を行いました。
外を見てみると、まるでcafé GETA再開を神様も喜ばれているかのように、きれいな虹が出ていました。
「和ごころ」のメンバー(堀岡さん)が参加した認知症カフェ再開の様子は、『中国新聞』朝刊(12月22日)に掲載されています。興味のある方は、是非読んでみてください!
再開2回目(12月2日)のcafé GETAにおいて、これまでの継続的活動や論文報告等が評価され、実行委員長から「和ごころ」に顕彰状が授与されました。
「和ごころ」のメンバーたちは、2017年9月から2021年現在までに、多くの活動を行ってきました。一部の内容を示しておきます。café GETAへの参加・運営業務(実行委員兼任学生5名輩出)、新聞取材・雑誌取材・ラジオによる広報活動、論文報告(4編)など、本当に素晴らしい活動です。
ボランティア活動から問題を探り出し、それを解決するための方法を考え、実行し、成果を形にする。地域貢献と共に論文作成の手法を修得することのできる「和ごころ」の活動に、あなたも参加してみませんか?はじめの一歩、踏み出す勇気!熱い思いよ、君に届け!
学長から一言:薬学部の学生有志が集うグループ「和ごころ」が中心になって、ボランティア活動の一環として開いてきた認知症カフェ。近隣住民の皆さんからの要望に応え、コロナ禍による長らくの休止状態を経て活動再開で、みんなのエンジンは早くもフル回転のようです。大学で学んだ専門知識を活かす場面も多くあるのでしょう。地域貢献とともに、高齢化社会の中で薬局利用者との緊密なコミュニケーションをとる術を身に付ける上でも貴重な経験になっているのでしょうね。