【心理学科】「産業・組織心理学」でオガワエコノス社を訪問!

【心理学科】「産業・組織心理学」でオガワエコノス社を訪問!

「心理学の授業で工場見学をする」と聞くと驚く人も多いかもしれませんが、心理学にもフィールドワークがあります。今日は、毎年様々な企業を訪れ、フィールドワークを行っている「産業・組織心理学」の授業について、担当の宮﨑由樹准教授からの報告をお届けします(投稿は学長室ブログメンバーの大杉です)。

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心理学科宮崎です。心理学科の3年次専門教育科目の「産業・組織心理学」にてフィールドワークを開催しました。産業・組織心理学は、組織行動、人的資源管理、安全衛生、および消費者行動などの幅広いテーマの下で、働く人や産業・組織全般に関わる心理および行動の特徴について明らかにすることを目的とする分野です。

「産業・組織心理学」では、授業の一環、そしてキャリア教育の一環として、フィールドワークを毎年実施しています。今年度は、11月19日(金)に、広島県府中市にある「株式会社オガワエコノス 本山工場」を訪問させていただきました。本日はその様子についてお伝えします。

当日はまず、総合企画本部の堀様と丸町様より、工場内を案内していただきました。廃棄物焼却施設の構造・処理系統、手作業での選別作業、生ゴミの堆肥化等について見学しながら、オガワエコノス様が取り組まれている廃棄物処理、リサイクル、環境保全、その他の事業について、丁寧にご説明いただきました。学生たちはこうした施設を見たり、こうした話を聞いたりする機会が普段は無いため、興味津々な様子で見入ったり聞き入ったりしていました。

また、見学だけではなく、実際のパソコン解体作業も体験させていただきました。毎日のように利用しているパソコンですが、その内部を見たことのない学生が大半だったようで、パソコンの筐体を開けるだけでも「オーッ!」と学生たちから声があがりました。学生たちは解体作業を体験することで、こうしたパソコンのリサイクルには、とても手間と時間がかかることが実感できた様子でした。

見学・体験後には、丸町様よりオガワエコノス社の働き方改革についてご説明いただきました。2020年度からは、マインドフルネスセンターを社内で創設されたことや今後カウンセリング指導を充実されていく予定であることなど、日頃からメンタルヘルスに関して学修する心理学科の学生にとって興味深い話がたくさんありました(ちなみに、心理学科にもマインドフルネスを専門として研究をしている中野美奈講師がいます)。

最後に、ロハス事業部の上部様より働き方・内部の研修・休みや有給休暇についてなど、上部様ご自身の経験を踏まえながら、熱心に語っていただきました。上部様は、新卒での就職以来、長く勤められてきたそうで、現在は本山工場の副工場長をなされています。仕事に対して前向きな態度であること、そして楽しそうに仕事の話をされているのが印象的でした。

こうした充実した見学・体験・説明のおかげで、学生からはたくさんの質問が挙がりました。安全や事故防止に関する取り組み、ストレスチェックをはじめとしたメンタルヘルスに関する取り組み、農園管理や農作業代行、働き方改革の成果(例えば、時間外労働時間がどれだけ減ったか?)、収集・分別ルールの指導方法などなど、多様な質問が飛び交いましたが、その全てに丁寧な回答をいただきました。フレックスな働き方(フルコース・ECO7コース・E-バランスコース導入の狙い)に関する質問は、総合企画本部長の塚本様より直接説明をいただきました。

「産業・組織心理学」の受講者は3年生です。今回の工場見学は、次年度に本格化する就職活動に向けて非常に良い意識づけになったとともに、地元の優良企業を実際に見る、そして深く知る良いきっかけにもなりました。この工場見学には、新型コロナウイルス感染症の流行以前には、例年なんと1500名を超える見学者がいらっしゃっていたそうです。工場見学の他にも、地域の学校でのワークショップや出前授業をはじめとして、環境教育活動も精力的になされているそうです。こうした積極的な地域貢献の姿勢は、福山大学も学ぶところが多そうです。

個人的には、社員の皆様が笑顔で協力的に仕事をされている様子が強く印象に残りました。現代では、働く人々の半数以上が仕事や職業生活に強い不安やストレスを抱えていると言われています。そのストレスの内容として、「対人関係」の問題を訴える割合は、女性で30%・男性で25%近くにのぼるそうです(令和2年労働安全衛生調査)。職業性のストレスの低減には、上司や職場の仲間からのソーシャル・サポートが大切であることはよく知られていることですが(Johnson & Hall、 1988)、働きやすい環境がどういった職場環境であるのか、見学した学生も肌で感じることが出来たのではないかと思います。

塚本様、堀様、丸町様、上部様をはじめとして、見学・体験および説明・質疑応答の際、親切に対応いただきました皆様、誠にありがとうございました!

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普段見られない現場を見るだけでもワクワクするものですが、今回はさらに企業の中で活かされる心理学もしっかり学べる機会となったこと、素晴らしいですね!心理学を学ぶ学生にとって、学問と現実を結ぶこのようなフィールドワークは、大きなモチベーションになっただろうと思います。福山大学の心理学科では、様々な実践的な学び(例1例2例3)を通じて心理学を学修できます。高校生の皆さん、是非覗きに来てくださいね!

 

 

学長から一言:「百聞は一見に如かず」。書物や講義だけでは実感できない事柄も現場に出るとスッと腑に落ちるもの。社名に「エコ」を含んだ会社にふさわしいさまざまな業務内容や、社員のための「心の筋トレ」的な取り組みなど、産業・組織心理学を学ぶ皆さんにとって、きっと新鮮で、深い印象を与えたことでしょう。ふんだんな写真の御蔭で、私もフィールドワークの様子をかなり「実感」できました。授業にご協力くださったオガワエコノス社の皆様に私からも感謝いたします。

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