【薬学部】2021年度日本薬学会中国四国支部奨励賞の受賞おめでとう!
この度、薬学部の松岡浩史准教授(アイキャッチ写真の中央)が「2021年度(第60回)日本薬学会中国四国支部奨励賞」を受賞しました。10月25日、井上薬学部長とともに大塚学長へ受賞の報告を行いました。この日は、朝からしとしと秋雨の降る、なんとなく切ない雰囲気でしたが、そんな気分や雨模様を吹き飛ばし、「ファイト一発!」と、元気の出るようなニュースを学長室ブログメンバーの薬学部YSがお伝えします。
日本薬学会支部奨励賞は「支部若手会員の学術活動の向上に資するべく、優秀な将来性のある研究者としての名誉を顕彰する事を目的とする」ものです。そうした将来有望な若手研究者として、松岡准教授が選ばれたのです。受賞研究題目は、「動脈硬化抑制に関与するレチノイド関連オーファン受容体の標的遺伝子群の探索」です。
動脈硬化とは、脳梗塞や心筋梗塞につながる血管の危険な病気であり、日本人の死亡原因の上位を占めており、本研究はこの病気を治療できる方法の開発に一石を投じようとする研究です。松岡准教授は本学薬学部の病態生理・ゲノム機能学研究室において日々この研究に取り組んでおり、その成果を数々の英文論文で世界に発信し、また以前には中国新聞や山陽新聞でも紹介されました。人々の健康維持に大いに貢献できる将来性のある研究として表彰されたものですが、受賞対象になった論文の内容は、動脈硬化抑制に関わる遺伝子を見つけ出す方法論を確立し、それによって見つけ出した動脈硬化抑制遺伝子の発現調節のメカニズムを明らかにしたものです。
大塚学長も井上薬学部長も、この研究の恩恵にあずかって元気な血管でいたいものと、松岡准教授に研究をさらに深めてもらうことを心から願っている様子でした。そして何より、今回の受賞は薬学部の学生、院生、若手教員にとって、研究モチベーションの大きな源となったと思います。
次に、この度の受賞に際して、松岡准教授からの喜びの声をお伝えします。
「この度は、奨励賞を頂戴し、光栄に思います。今回の奨励賞は自分ひとりの力で得たものではなく、研究室主宰で恩師の道原明宏教授によるご指導をはじめとして、今思い返すと幼少期から探究心を刺激してくれた両親、学生時代に学問の面白さと奥深さをご教授いただいた先生方、仕事として学問に携われるようになって以来、より良い成果が生まれるように導いてくださった先生方、支援いただいた学生さんたちのお陰であると、身に染みて感じております。いつも気持ちよく仕事ができるようにお力添えいただき、誠にありがとうございます。今後とも、周囲の方々の協力を忘れず、精進してまいりたいと考えております。至らない点ばかりですが、今後ともご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。皆様に直接お会いしてお礼を申し上げる機会が限られているため、オンラインにてお礼申し上げます。」
学長から一言:実に喜ばしい報告をして頂きました。松岡准教授の研究については、以前に新発見として新聞に掲載されたのを読んだとき、つい嬉しくなって直ぐにお祝いの電話をかけたのを思い出しました。今回はまた日本薬学会の中国四国支部から、そうした一連の研究に対して奨励賞を授与されたとのことで、我が事のように誇らしい気持ちになりました。とりわけ、その研究内容が動脈硬化治療につながるものとなれば、日頃からお医者さんにこの面での注意を促されている私を含む高齢者には、たいへんな朗報です。動脈硬化への不安を抱える多くの人々の救世主になるよう、さらに研鑽を積まれることを期待しています。