【薬学研究科】がんばれ!大学院3年生の研究中間発表会
9月14日(火)、大学院薬学研究科の2名の院生が研究の中間発表会を行いました。その様子について、学部長の井上教授の投稿を学長室ブログメンバーの薬学部YSがお伝えします。ちなみに、この発表会は、現在、院生として研究している内容を大学の教員等に説明し、研究の今後の発展についてアドバイスをもらったりする会なのですが、まだ若き研究者の卵たちにとっては、結構緊張するものなのです。この日、2人ともきちんとネクタイをして、礼節をわきまえて皆さんの前で発表しました。
皆さんこんにちは。ここからは、お久しぶりに井上がお伝えします。この初々しい院生たちの姿をウキウキしながら眺め、発表に耳を傾けておりました。
まず、上の写真は1人目の番匠谷健吾くんです。発表は「機能性高分子を用いたアムポテリシンBのナノ製剤化に関する研究」についてでした。アムホテリシンBという薬は、病原菌をやっつけるために使われている薬です。番匠谷くんは、この薬を他のものに結合させたりしてその形や使い方を少し変えると、もっと良く効くようになったり、副作用を減らしたりできるという研究をしています。この研究が完成したら、今この薬を使ってる患者さんにもっと有効な薬の使用を提供できるかもしれません。
続いて、山口史朗くんです。発表は「リソソーム膜糖タンパク質のアイソフォーム2種の細胞内局在についての比較研究」についてでした。ややこしそうですね。私たちの体の中にあるランプという名前のタンパク質にはいろいろな種類があって、それらがどこにあるかを調べることによって、その働きを調べようという研究です。体の仕組みに関わる研究ですから、そこがおかしくなった時になってしまう病気の原因究明になるかもしれません。原因のわからない難病がたくさんありますね。原因がわかれば、それを直す薬を作ることもできます。山口くんの研究はそこに貢献できるのです。
大学院薬学研究科は、6年制の薬学部での学修の先にさらに4年間、高度急成長中の医療に対応できる医療人の育成を目的に設置しています。中間発表をしている2名は今年3年生で、来年は博士(薬学)学位の申請に挑戦する予定です。
2人の発表を聞いているうち、「ああ、今年も成長している」と思わず目頭が熱くなりました。
学長から一言:教員の皆さんの厳しくも愛情溢れる指導を受けて、年々成長している薬学研究科の院生諸君の研究発表。きっと中間発表会当日も相当に厳しい質問や指摘が飛び交ったことでしょう。それにめげることなく、二人が所定の最短期間で研究を完遂し、薬学の博士号取得を目指してくれることを願わずにはいられません。引き続き、研究科をあげてのきめ細かな院生指導を期待しています。