【スマートシステム学科】プログラミング実習でNoCodeセミナーを実施!
工学部スマートシステム学科 (フェイスブックはこちら)の学生は、1年次後期にプログラミング基礎、2年次前期にプログラミング実習を受講します。これからの社会で求められているIT人材の育成に貢献できるように、プログラミングの知識と技術を養うことを狙いとしています。昨年からICT教育のシステムを使って遠隔での実習形式を取り入れてきましたが、今年度前期の「プログラミング実習」の授業では、初の試みとして外部講師による「NoCodeセミナー」の遠隔講義を7月初旬に実施しました。この様子について、スマートシステム学科ブログ委員(プログラミング基礎・プログラミング実習担当)の伍賀が報告します。
NoCode ってなんだろう?
近頃、小学校の授業へのプログラミング教育の導入がよく話題になりますが、その背景にはIT人材の不足とデジタルトランスフォーメーション(DX)への社会からの切望があります。しかしながら、プログラムコード(Code;キーボードから数式等を入力する暗号みたいな書式)を書くことができる人は、全人口のわずか0.3%しかいないということです。そのため、プログラムを書かない(=NoCode)でアプリケーションを作成するということが提案されています。
NoCodeセミナー受けてみた!!
今回のセミナーは、私が計測自動制御学会関連でお世話になっている長岡技術科学大学大学院の白川智弘准教授からのオファーで実現しました。また、このNoCodeを推進しているNoCodeJapan(株)の奥いずみ先生の指導のもとで実習を進めていく形式です。2週にわたるZoomによる遠隔授業の方式で、東京や新潟にいる講師の先生の講義を福山大学や自宅のPCで受講することができました。
講師:長岡技術科学大学 白川先生
(日本初のNoCode 教育科目を開講(防衛大)、NoCode による SDGs 推進活動(長岡技科大学))
講師:NoCodeJapan(株)奥先生
セミナーの最初は、先に述べたようなNoCodeとは何か?の解説から始まりました。これまでのプログラミング関連の授業では、CygwinやLinux、Proccesing という開発ツールを用いてC/C++言語などのコードをガリガリと書いていく勉強が中心でしたので、学生の皆さんは導入時に少々戸惑った様子もみられました。
セミナー資料より、「IT人材不足に対応してNoCodeを勉強しよう!」
NoCodeセミナー実習でアプリを作りました
セミナーの第2回目では、NoCodeJapan(株)の開発したNoCode開発プラットフォーム「Click」を利用して遠隔でアプリ開発の実習を行いました。受講した学生は密を避けながら、下の写真のように、自宅や大学のプロジェクト室でこの遠隔セミナーの実習に取り組みました。
NoCodeセミナー受講の様子
セミナー後半「アプリを作ってみよう」実習
NoCode開発プラットフォーム「Click」はPCから以下のような画面を参照しながら、これでスマホアプリの開発実習を行うものです。パワーポイントでプレゼンテーション資料をつくるように、ボタンやスイッチ、アイコンなどの部品を中央のスマホの画面に配置し、クリックしたら画面が切り替わるような設定にしていきます。なるほど!これで、ゲームの〇〇メーカーを使って遊んでいるような感覚でアプリケーション作成ができるというワケですね。
今回のセミナーでの実習の課題は、スマホでの「買い物メモアプリ」の作成です。下の画面のように、品物の名前と個数を入力してメモができるようなアプリを「Click」を使って作成し、データを保存した後に、QRコードで各々が持っているスマホ端末にダウンロードして使えるようにします。授業内の実習では、Zoomのブレイクアウトルームで数名の班を作り、各班にNoCodeJapan様の担当者の方が指導し、学生の皆さんはアプリの完成まで開発を体験することができました。
製作したアプリをダウンロードして共有できます
今回、2週にわたって、NoCodeテクノロジーでのアプリ開発を学習しました。これは新しい「ものづくり」のコンセプトで、今までのPC画面を睨んでキーボードをカタカタしながら、プログラムを作っていくこととあまりに違うので、少々とまどってしまった人も居たようです。プログラミングの習得や上達には様々なプログラミング言語やシステムに触れて、広く深く学ぶことが重要です。しかし、今回学んだNoCodeプログラミングは、スマホやタブレット端末のような身近な機器で、手軽にアプリを開発するために適した開発ツールのような印象を受けました。このNoCodeでのアイデアソン、ハッカソン、つまり新しい技術を使ってモノやソフトを数日間で創り上げるイベントも開催されているようですので、学生の皆さんは是非とも挑戦して幅広い知識を身につけてほしいですね!NoCodeセミナー講師の皆様、ありがとうございました。学生の皆さん、お疲れさまでした。
遠隔セミナーで実習、学生の皆さんは頑張りました!
学長から一言:複雑で難解な数式を打ち込んだりして特定用途のプログラムを作る作業など、想像しただけで頭が痛くなりそうです。しかし、このアプリ「Click」があれば、まるでゲーム感覚でプログラミングができるというところまで、おぼろげながら理解しました。アプリ開発という「ものづくり」の入り口でその面白さに触れ、動機付けをするには十分でしょうね。しかし、プログラミングの醍醐味はやはり思い通りの動きを指示するコード作りでしょう。この授業で刺激を受けた人の中から本格的なプログラマーが多数現れるのを待っています!