【生命栄養科学科】コロナ禍の下で調理系実習を工夫して実施!
生命栄養科学科では、管理栄養士養成に向けて様々な授業を組み立てて教育活動を行っています。管理栄養士というと、料理を作っているだけのイメージが強いかもしれませんが、文字どおり料理をする以外の実験や学外実習もあり、またテーマに従い、グループや個人で研究発表する実習もあります。しかし今回は、本学科の中核的な内容である専門の調理系実習について、学長室ブログメンバーの石井が紹介します。
まずは「調理学実習Ⅱ」です。この授業は、専門調理として「日本料理」「中華料理」「西洋料理」と、様式別に2年次の前期で学修します。1年次に基本的な調理操作を含んだ調理実習を経験し、その後、こちらに進みます。この日は、日本料理の中でも難易度の高い「ちらし寿司」「しめ卵の澄まし汁「泡雪羹(あわゆきかん)」を作りました。
泡雪羹は、きれいに全体が白くなるのが正解なのですが、こちらは残念ながら生地が2色に分離してしまいました(下の写真)。泡雪(泡立てた卵白)と寒天液の比重の違いで二層になったものですが、授業では理論と技術の統合を実践しながら学びます。失敗は成功の素!
いつもなら比較的大きなグループで実習しますが、出来るだけ人との距離を取るために少人数で実習しました。新型コロナウイルス感染症予防対策の一環です。
次に「給食マネジメント実習Ⅱ」を紹介します。3年次の前期で実習します。高齢者施設、病院や小学校などで調理・提供されている食事づくり全般を“給食管理”と呼びますが、この実習では管理栄養士の専門科目として、大量調理の実際を栄養基準の設定から始まり、食事計画・調理・評価と順に実践していきます。
また、食材の発注(注文作業)、納品された食品の検収(検品作業)も系統立てて行います。
生で食べる野菜や果物は、専用の塩素消毒液生成装置を用いて消毒(野菜の写真)します。こうして安全・安心な食品の扱いを学びます。
今回は、新調理システムの“クックフリーズ”という方法を組合わせた実習のため、料理に急速冷凍を施し、冷凍食品を製造・保存して提供時に再加熱して盛付ける一連の作業を実践しました。本学科では、こうした新調理システムに対応できる厨房機器を備えています。
献立作成から調理、提供までを学生が役割分担しながら、主体的に取り組んで料理や作業内容、さらに食材費の評価まで行います。ちょっと忙しいですが、大量調理作業では提供時間に間に合わせるためにグループで助け合い、協力しながら料理を作り上げていきます。
鶏のから揚げは、揚がった時に肉内の中心温度を測定し、安全な温度になっているかを確かめて記録します。
それぞれの班で想定した対象者(傷病者、小学生、勤労者)に向けた栄養教材の作成と喫食者への提示、また喫食者満足度調査を行って、自分たちの作った料理の評価も受けます。
作成した栄養教材を通じて、喫食者に献立内容の説明や食品、健康な食事の情報をお知らせするのも大切な仕事です。
新型コロナウイルス感染症予防に配慮しながらの調理・提供でした。すでに教室での講義で学んでいた衛生管理の在り方を実習厨房内や実習専用食堂で実践しながら、安全に喫食者に食べていただくことができました。
学長から一言:今にも美味しそうな香りが漂ってきそうな写真もふんだんの調理実習レポート。学生の皆さんは管理栄養士を目指して、日々さまざまな実践を続けているのですね。家族や少人数の集まりのために準備する料理と違って、大量の「給食」のための調理はきっと何倍もたいへんで気を遣うことでしょう。相当我慢しないと飲めなかった脱脂粉乳やパサパサのパンの学校給食を経験した身には、羨ましいばかりの「豪華」な調理品に、思わずお腹が「グー」となりそうでした。