【生物工学科】8月22日(日)は生物工へGO!~人と微生物の関わり~
8月22日(日)はキャンパス見学会が実施されます。生物工学科では、毎回異なる生き物についての模擬講義を行っており、第1回は「ブドウ」、第2回は「哺乳類」でした。今回は、もっともっと小さな生き物である「微生物」がテーマです。このことについて、生物工学科の豊村助手からの報告です(執筆は佐藤)。
学科紹介
学科紹介については、前回のキャンパス見学会のご案内で紹介しましたので、そちらをご覧ください。生き物の仕組みを解明し、そして社会に活かす。生物工学科の多様な魅力を感じて頂ければ幸いです。
微生物をより身近に
地球史上、一番大きい生物は何だと思いますか?ゾウなどのいろいろな動物が思い浮かぶのではないでしょうか。現生種の中で最大の動物は、シロナガスクジラであるとされています。その大きさは約20m近くあり、25mプールにやっと収まるサイズです。恐竜などの古代生物はあくまで推定でしか大きさを測ることができないため、もしかしたらもっと大きな動物がいたのかもしれません。
でも、実は最大の生物は動物ではありません。植物ではセコイアの一種で約80mの大きさを誇る種が存在します。また、菌類では菌糸を調べてみると1個体で9平方キロメートルもあるキノコが知られています。私たちヒトも大きな生物ですが、生き物の世界を見渡してみると、地球上にはヒトとは比べ物にならないような大きさの生物が存在していることが分かります。私たち人は視覚に頼る生き物なので、目に見える大きな生き物についつい目が行ってしまいますよね。でも、小さき世界もとっても大切なのです。
8月22日(日)のキャンパス見学会では、目で見ることができない生物である「微生物」をテーマに講義と体験実験をします。微生物は目に見えないものの、日常のあらゆるところに存在しており、私たちは微生物からたくさんの恩恵を受けて生活しています。特に、ヒトは発酵食品を通してほぼ毎日、微生物と関わっています。主に、パン、味噌、醤油、納豆、コーヒー、お酒などなど例を挙げればキリがありません。目に見えない小さな生き物の大きな働きについて感じてもらえればいいなぁと思います。
様々な微生物による発酵食品がありますが、私たちはパンやお酒に使われる酵母に注目して研究しています。酵母は英語でイーストと言います。こちらの方が聞き馴染みがあるかもしれませんね。私たちは、これまでに福山市の市花である「バラ」から酵母を分離し、バラ酵母としてパンやお酒を商品化しています。模擬講義では、微生物のことをはじめ、酵母を使ったユニークな研究を紹介します。お楽しみに。
顕微鏡で見た様々な酵母(バラ酵母)と、その酵母から作られた食パン
簡単な体験実験も準備しています。酵母の発酵について目の前で体感してもらう実験や、酵母とはどういった生物であるのか実感を持って理解してもらえるような実験を用意しています。目に見えない微生物たちの生活と働きを少しでも学んでいただけるのではないかなと思っています。
フラスコにバラと培地を投入し、微生物を増やしているところです。各バラが色とりどりで非常に綺麗です。
施設紹介
生物工学科では、在学中の1年次〜3年次を通してワインの製造を実習として取り組んでいます。実際に自らブドウを栽培し、発酵・熟成を行っていきます。その際に使用するワイン醸造室を案内し、ワインを製造する過程で使う機器を紹介します。酵母を卒業研究の対象生物としている4年生も参加するので、気軽に質問してくださいね。
最後に、朝日新聞デジタルに掲載された記事と、10月6日(水)(三原中央公民館)及び10月9日(土)(福山大学)で行われる公開講座の資料のQRコードを添付します。ちなみに、公開講座は参加費無料で、どなたでも参加いただけますので、是非ご参加ください。お待ちしています。
【朝日新聞デジタル】 バラの酵母でビールや日本酒:地域思う微生物学者の功績
【福山大学公開講座】 「福山バラの酵母プロジェクト」で備後地域を潤す!
学長から一言:生物工学科が8月22日開催予定のキャンパス見学会で企画している模擬授業の紹介ブログですね。われわれの暮らしと切っても切れない関係にある微生物にまつわる多くの話題が盛り込まれ、魅力的な内容になりそうです。高校生の皆さんやそのご家族など、たくさんの方々にお越し頂いて、生物工学の面白さを知って頂けると良いですね。当日までの残された時間に、さらに魅力を増すための工夫をお願いしたいものです。