【人間文化学科】大学における歴史の学び―キャンパス見学会開催!
今年度2回目のキャンパス見学会が7月17日(土)に開催されました。キャンパス見学会は、学科での学びを高校生に肌で感じてもらう貴重な機会でもあります。その柱となるのは、何といっても模擬講義です。以下、講義内容を中心に学長室ブログメンバーの脇が当日の様子についてお伝えします。
今回のキャンパス見学会では、村上亮准教授が「大学における歴史の学び:「終戦記念日」を題材として」というタイトルで模擬講義を行いました。人間文化学科の軸となる領域【歴史】【文学】【言語・思想】のうち、特に【歴史】に関するお話ですね。「歴史に興味があったので参加しました」という高校生もいて、講義が始まる前から期待が高まります。
最初に、「高校と大学の歴史学の違い」について、E・H・カーの言葉に触れながら次の3点が熱く語られました。
(1)「どのようにhow?」(高校)から「なぜwhy?」(大学)へ
(2)答えのない問いに取り組む
(3)「固定的」な歴史から「可変的」な歴史へ:「書き換えられる歴史」
このうち、(1)と(2)は、あらゆる学問領域に通じる大学での学びそのものですね。「教科書の内容が絶対的に正しいと考えていませんか?」という問いが投げかけられたあと、(3)をより具体的に実感してもらうために、今回のテーマ「終戦記念日」へと話題が移っていきます。
―なぜ、日本では「9月2日」ではなく「8月15日」が記念日となったのか?
―なぜ、「敗戦」や「降伏」ではなく「終戦」だったのか?
高校生は、「玉音放送」の“リスニング”にも挑戦しました。格調高き漢文調の文章と音質の悪さ(ラジオ音源)に、高校生だけでなく保護者からも苦笑いがもれます。さて、当時の人はどれほど・なぜ内容を理解できたのでしょうか?
次々と投げかけられる「なぜwhy?」に対して、高校生は(そして保護者も)たくさんのメモを取りながら、時には顔を見合わせて思考を巡らせていました。
このようにして、人間文化学科では【思考するための知識・体力・技術】を身につけていきます。
ぐっと集中した後は、在学生や教員との和やかな交流会です。また、在学生(2年生と3年生)からは学生生活の紹介もありました。自分たちの時間割を示しながら日々の様子を語り、高校生や保護者と和やかに会話している在学生の姿は実に頼もしい!
ちなみに、今年度のキャンパス見学会は8月22日(日)と9月11日(土)、そして来年の3月12日(土)にも開催予定です(新型コロナウイルス感染症等の社会情勢によっては開催を中止または延期、企画内容の変更をする場合があります。最新情報はホームページでお知らせいたします)。毎回違うジャンルの講義を準備していますので、是非ご参加ください!
学長から一言:この短いブログからだけでも、歴史を学ぶ面白さを熱っぽく語る村上准教授の模擬授業の雰囲気が伝わってきました。人間文化学科、とくに歴史に関心のある高校生をはじめ見学会参加者には、たまらなく楽しい時間だったことでしょう。高校の授業とひと味違った大学での学びをちょっとだけ体感してもらえたことと思います。さて、次回以降の見学会では、文学、文化?いったいどんな分野のいかなる趣向が見られることやら、大いに楽しみです。