【大学教育センター】今井 航教授が着任!

【大学教育センター】今井 航教授が着任!

 大学教育センターに今年度着任した今井 航教授を紹介します。一番はご自身の言葉。ご本人から自己紹介の文章を寄せていただきました。(竹)


 2021(令和3)年4月より大学教育センターの教授に採用された今井 航(いまい わたる)です。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 ここ福山の地に生まれ、福山市15年、交野市3年、和歌山市12年、東広島市6年、 別府市14年を経て、この春、不思議にも福山へ戻ってきました。
 前任校の所在地であり、温泉番付において西の横綱に位置づく別府では、毎日のように温泉に浸かっていました。今、それができなくなり残念ですが、別府の知り合いに「もう広島弁に戻っちょる」と言われ「備後弁じゃけぇ」と言い返してみたり、通勤時に車中から目にとまる〇〇の印判店、〇〇の仏具屋、〇〇の宝石店、〇〇の薬局、〇〇の理容院などから、とっくに忘れてしまっているはずの子どもの頃が思い出されたりして、どうやらもう備後に浸かっているようです。のぼせてしまわないように気をつけます。

 学位論文を下敷きに10年ばかり前に出版した拙著『中国近代における六・三・三制の導入過程』では、わが国より四半世紀も早くアメリカの影響を受けて中国が6・3・3制を導入した事実をめぐり、その社会的背景も含めて実相に迫りました。外国の教育史を研究の対象としたことから、自国の教育史を相対化して見ようとする姿勢が養われたと思います。

拙著

 前任校では、14年間教職課程に所属し、主に中等教員養成に携わりました。本学でも、引き続き教育職員免許状の取得に必要となる「教育原理」や「教職概論」などの教職科目を担当します。そして、同時に全学共通教育部門長として共通教育に責任を持つことになりました。この「土台」部分の学びは、何のため? よろしければ、一緒に問うていきたいと思います。

 福山大学に着任してから約2ヶ月が経ちましたが、早くもいろいろなことに気づかされ、知らされ、教えられています。
 研究室を1号館4階にいただきました。本学の卒業生でもある事務職員に教えてもらったところ、この建物は新しい1号館であり、従前は旧1号館があったとのこと。旧1号館は開学から草創期を経て、暫くの間はいろいろな意味で本学を支えた建物だったそうです。現1号館から見える記念広場にあるその旧館の遺構は、まるで今と未来を見守ってくれているようです。

旧1号館の遺構(真ん中)前で

 さらに、キャンパスを歩いていると「桜50本植樹工事一式」と記されているものに目がとまり、続けて「福山大学同窓会連合会」とあります。また、毎日のように足を運ぶ事務室には福山大学の徽章とともに「福山大学卒業記念」と刻まれている肉池が目に入ります。

「桜50本植樹工事一式」

卒業記念の肉池

 卒業生を大事にし、卒業生が活躍され、卒業生に大事にされている私学は、例え「大学淘汰の時代」を迎えても適応し、前へ前へと着実に歩みを進めていけるものと確信します。

 大学会館に入って真っすぐ奥まで進むと「創設者の願い」が目に飛び込んできました。その最後の一文には、このようにありました。
 「(前略)教育は一日にして成らず 若し夫れ百年の後ここに掲げる建学の理念に遥かに及ばぬ大学と堕することあれば須らく廃校にすべし」
 背筋が伸びます。

 私学の誇りとすべきは、例えばこうした創設者の想い/願いや建学の精神/理念、さらには卒業生の活躍や母校愛などであると思います。4年後の2025(令和7)年には開学50周年の節目を迎える福山大学も、きっとそうした誇りに支えられながら益々発展を遂げていくのだろう、と新参者ではありますが、ありがたくも大きな楽しみと受けとめています。

 話は変わりますが、好物はチョコレート(LOTTEのガーナミルクエクセレント箱詰め26個入り常備)、八朔や甘夏などミカンです。また、福山へ戻ってきてからは、どの府中焼きが好みになるのかが気になり、コロナ禍のなかで週末を中心に主にテイクアウトでいろいろと試しています。そして、一番の好みを探しています。

 「未完成の完成」から「完成の未完成」へ。限り無く、ということでしょうか。これから、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

学長から一言:今井教授、福山大学へようこそ!だいぶん長く故郷を離れた後の復帰、気分はどうでしょう?「故郷は遠きにありて思うもの、そして悲しくうたうもの」などとも言いますが、やはり故郷は優しく、暖かいのではありませんか?しっかり根を下ろして、じっくりと本学の発展のためにご尽力ください。又、何気なく通り過ぎれば見落としてしまいそうなキャンパス内に点在する事物に注意が向くあたりは、さすが教育史研究者と言うほかありません。

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