【薬学部】岡村信幸教授・長崎信浩教授の最終講義

【薬学部】岡村信幸教授・長崎信浩教授の最終講義

岡村信幸教授並びに長崎信浩教授が、今年度をもって退職されます。それにともない、3月12日(金)に両教授の最終講義が行われ、薬学部の20研究室のうち「漢方薬物解析学研究室」及び「実践医療薬学研究室」の所属学生と薬学部の教職員が聴講しました。高山健人講師からの報告を薬学部ブログメンバーの五郎丸が投稿します。

新型コロナウイルス感染症予防のため参加人数を制限して開催されました

 

■ 福山大学薬学部とともに歩んだ37年 ― 岡村教授の最終講義 -
岡村信幸教授は、1984年に当時の生薬学研究室(八木晟教授)の助手として着任されて以来37年間、本学薬学部の教育・研究に大変ご尽力されました。

講義では、岡村教授の礎を築いた恩師の先生方との交流を通して教育・研究に対する心意気や豊かな人間性に触れることで、理想とする自分像を形成することができたとの話を伺いました。
また、岡村教授が従来の生薬学を中心とする教育・研究から、その当時「未科学」であった漢方医薬学を中心とする教育・研究にシフトしていく中で、苦労されたことやその当時の心境について熱く語っていただきました。
その努力の甲斐あって、現在では本学薬学部独自の漢方教育を確立することができています。毎年、一部の新入生や「オープンキャンパス」に参加した高校生の皆さんから「漢方薬が学べるので福山大学を選んだ」と言っていただけることは、岡村教授が熱心に漢方教育・研究の普及に努められてきた賜物だと考えています。

また、岡村教授は「薬学入門(早期体験学習)」や「コミュニケーション交流学習」など薬学部のアクティブ・ラーニングの立ち上げにも尽力されており、学生の学びのモチベーションをいかに上げるか、また医療人として必要なホスピタリティの涵養(かんよう)をどう図るかなど、試行錯誤された話を伺いました。これらの教育の成果を上げることができたのも、医療現場で活躍する数多くの卒業生の協力やもうすぐ40周年を迎える薬学部の伝統、そして地域からの信頼があったからこそと述べられていました。

岡村教授から学生の皆さんにコメントをいただきました。

~ 岡村教授から将来を担う学生たちへ ~
「先生と時間を共有しよう。」私はこれまで多くの人々に導かれ、大変幸運な人生を歩んできました。思い返してみると、大学時代は人生の岐路に差し掛かる時期でもあり、様々な出会いの中で貴重な経験をしました。研究室での先生との出会いは、私の道しるべの一つになったように思えます。教員となった私は、できるだけ学生と時間を共有しようと心掛け、今その役目を終えようとしています。皆さん、是非とも研究室で先生と時間を共有してください。

 

■ 臨床薬剤師への誘い、そして福山大学薬学部への期待 ― 長崎先生最終講義 -
長崎信浩教授は、本学薬学部に赴任される前までは広島市内の病院薬剤部長として臨床の第一線で活躍しておられました。その長い経験で培った豊富な知識や技術を次世代に受け継ぐべく、2014年から本学薬学部の「実践的な医療薬学に通じる臨床教育」に大変ご尽力されました。

講義では、病院薬剤師として医師や看護師などの医療スタッフと協働して進めてきた「チーム医療」についての話を伺いました。
患者さんに質の高い医療を提供するためには、それぞれの医療スタッフが他職種と協働しながら、自らの専門性を最大限に発揮する必要があります。また、薬剤師も医師や看護師など各分野のスペシャリストが得ている個々の患者さんの情報を活用し、薬のスペシャリストとしてその患者さんにあった最適な薬剤を提案することが求められています。
長崎教授も病院薬剤師としてチーム医療が謳われる遥か以前から、多くの医療スタッフと信頼関係を築きながら真摯に患者さんに向き合ってこられました。薬剤師としての専門性を発揮するためには、薬の「知識」やそれを扱う「技能」だけではなく、患者さんや医療スタッフなどと信頼関係を築こうとする「態度」もとても大切であるということを伝えていただきました。
最後に、薬剤師としてこれからの医療、そして社会に貢献していくために学生さんは今、何を学び、心得ておくべきなのか、今後の本学薬学部の発展に期待を込めて話をしていただきました。

 

長崎教授から学生の皆さんにコメントをいただきました。

~ 長崎教授から将来を担う学生たちへ ~
医療の現場では、同じ疾患でも患者さん個々の抱える医療・薬物療法上の問題点は千差万別です。我々医療人に求められるのは、患者の皆さんを対象にした医療サービスの提供だけではなく、患者さん一人ひとりへの医療人としての誠意ある対応です。患者さんやそのご家族、さらに医療スタッフからも感謝や笑顔をいただくことが出来るステキな薬剤師さんになってくださいね。

長崎教授、大変お世話になりました!(長崎研究室メンバーと集合写真)

先生方の最終講義を拝聴して改めて思うことは、何人も人生のあらゆる場面で出会う人々から刺激を受け、その関わりによって人生の意味は全く異なってくることです。大学では、各地域から集まってきた学生さんたちや教員、職員、地域の人々、、、様々なバックグラウンドをもった人々と出会い、優しさや時には厳しさにも触れることがあります。その一つひとつの出会いが自分自身にも刺激を与え、もしかすると新たな自分にも出会えるかもしれません。

もうすぐ新年度が始まりますが、改めて出会った人々への「感謝と恩返し」(どこかで聞いた言葉ですが。。)を胸に、私たちも新たなスタートを切りたいと思います。

岡村教授、長崎教授、長い間、本当にありがとうございました!!

 

学長から一言:岡村教授、長崎教授。。。長い間、教育に、研究に、学内運営に、地域連携に、いろいろと大変尽力いただき、本当にありがとうございました! 今後も、福山大学をしっかり見守っていてくださいねッ!!!

 

 

 

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