【人間科学研究科】医療福祉・心理セミナーを開催!

【人間科学研究科】医療福祉・心理セミナーを開催!

大学院人間科学研究科では、心理支援に関する専門家を養成しており、その一環として今年も医療福祉・心理セミナーを開催しました。今回は、セミナーの様子について中野美奈講師が報告します(投稿は福留)。

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皆さんこんにちは。心理学科の中野です。今年度は、新型コロナウイルスの感染拡大により全国的に大変な年でしたね。そんな不安と混乱の年でしたが、心理学初の国家資格「公認心理師」の第3回目の試験が2020年12月20日(日)に実施されました。その合格発表日だった2021年2月12日(金)に、公認心理師業務にも深く関係する医療福祉・心理セミナーを開催しました。

公認心理師は、保健医療、福祉、教育、司法・犯罪、産業・労働の分野において,心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次の行為を行うことを業とする者をいいます(厚生労働省ホームページより)。

(1)心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析
(2)心理に関する支援を要する者に対する、その心理に関する相談及び助言,指導その他の援助
(3)心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、指導その他の援助
(4)心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供

福山大学の大学院人間科学研究科では、将来様々な職域で通用する多様なキャリア形成について学ぶため、様々な領域から専門家を招待して、年に一度医療福祉・心理セミナーを開催しています。(過去のセミナー情報はこちら)。

今年度は、広島刑務所の教育部で法務教官・教育専門官として働く上野智広氏を講師としてお招きし、「司法・犯罪分野における指導プログラム」というテーマで講演していただきました。新型コロナウイルス対策として、例年よりも小規模で29号館のパソコン室にて開催しました。刑事施設における特別改善指導の担当者を招いてセミナーを開催できるのも、本学の強みのひとつです。一般の方への公開はできませんでしたが、研究科の大学院生に加え、公認心理師を目指す学生や司法・犯罪領域に関心の高い学生たちが貴重な講演を聴くことができました。

29号館のパソコン室で三密を避けて開催されました

セミナーでは、刑務所での心理職の仕事や性犯罪再犯防⽌指導プログラムの内容など、多くの人にとって馴染みのない司法・犯罪領域という未知の世界について、とてもわかりやすく教えていただきました。上野氏の快活で楽しい口調と興味深い講義内容にすっかり夢中になって聞き入り、時間が経つのを忘れてしまいました。

講義では、まず刑事施設内での教育の位置付けとして、政府の方針や受刑者に対する教育の有効性について話されました。次に、広島刑務所で実際に行われている教育の概要と性犯罪再犯防止指導の歴史を教えていただきました。そして、現在取り組まれているプログラムについて、根底にある理論、指導担当者や指導体制、指導方法、プログラムの構成等が詳細に説明されました。本研究科の学生が学んでいる療法も色々出てきて、具体的なイメージを持ちやすかったのではないかと思います。さらに、性犯罪者の特徴や抱える問題やプログラム担当者の苦労等についても熱く語っていただきました。

質疑応答も盛り上がりました

講義後には質疑応答の時間が設けられ、一つ一つの質問に真摯に丁寧に答えてくださいました。また、セミナー参加者の興味関心は尽きず、セミナー後も上野氏の周りに人が集まり、色々な質問ややりとりが行われていました。司法・犯罪領域の心理的支援に対する関心の高さが改めて感じられました。

福山大学の大学院人間科学研究科では、今後も毎年様々な分野の専門家をお招きして、医療福祉・心理セミナーを開催する予定です。ご期待ください。

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私(福留)も参加させていただきましたが、私の専門である社会心理学の観点からも非常に興味深く、分野間の繋がりと実践家の方との繋がりの両方の重要性を強く感じました。上野先生、本当にありがとうございました。

 

学長より一言:広島刑務所教育部の法務教官・教育専門官である上野智広先生、貴重なお話しをありがとうございました!院生・学生の皆さん、犯罪心理学研究室や捜査心理学研究室のある本学ならではのセミナーでしたねッ!

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