【心理学科】卒業論文発表会を開催!
毎年1月下旬に学科全体で開催される心理学科の卒業論文発表会は、今年度はコロナの影響により急遽各ゼミでの発表となりました。
大人数で集まることが無いようにするため、また柔軟な対応をとるため、苦渋の決断となりました。心理学科の福留が報告します。
卒業論文の提出もこれまでは紙媒体で行われていましたが、それも今年度は安全をとって、本学の学修支援システム(Cerezo:セレッソ)上で電子ファイルでの提出になりました。さらに、卒業論文発表抄録集も電子ファイルでの配布になりました。
研究の内容にも変化がありました。基本的に、心理学では調査や実験によってデータを取得し、分析結果を基に人間心理について議論します。しかし、コロナ禍では、特に実験を“密”を避けて行うことは非常に難しい場合があります。調査についても、Web調査を用いての対応になっています(Web調査の学習については、こちらの記事の中段にあります)。このような状況を踏まえて、今年度は既にある研究をテーマに沿って収集し、その成果を集約する“レビュー論文”という形式も認められることになりました。今年度の卒業論文のテーマ例を以下に挙げます。
- 卒業論文テーマ例
・隠匿情報検査の検出理論を検討するための実験方法の比較と評価―情動要因の検討に向けて―
・質問に対して虚偽と真実の回答をする際の視線停留時間の比較
・各場面で行われる交通安全教育において心理学が及ぼす効果評価
・取調べ場面における話者の姿勢の影響―発話量の違いについて―
・悪夢想起頻度とセルフ・コンパッションの関係
・自閉スペクトラム症と社会認知の関連
・新型コロナウイルス感染症への恐怖がストレス・コーピング・スキルを介して精神的健康度および偏見に及ぼす影響
・高校生におけるデートDV予防授業の効果検証 ―事前・事後・フォローアップ調査における暴力観・性差観の変化について―
・親の家事分担やイメージが青年の家事分担と性別役割分業意識に及ぼす影響
・ウェアラブルロボットの着用が人間性の評価に及ぼす影響
・デコ出しが人物の外向性の印象に及ぼす効果
・フロアモップによる床清掃のしやすさが清掃後の気分に及ぼす影響
・防衛的悲観主義は方略的楽観主義に劣っているのか?
・先延ばし行動の研究動向について
・対人不安に自尊感情及び公的自己意識が及ぼす影響
・大学生の意識とレジリエンスについて
・療育を利用している子どもの行動特徴と母親の養育態度の関係性
・大学生における発達障害のイメージ―接触経験,知識,他者受容,性別との関連から―
・青年期の自尊感情と主観的幸福感との関連
・甘えタイプ尺度と対人依存傾向との関連
・青年期の対人依存欲求がインターネット依存に及ばす影響
・児童期の母親の養育態度が青年期のふれ合い恐怖心性に及ぼす影響
このように、心理学といっても多彩な内容の研究が行われています。本学心理学科は、心理学を基礎から応用まで学べる広島県東部唯一の学科で、様々な専門性を持つ教員が研究指導を行っています(教員一覧はこちら)。
ゼミ単位での発表になりましたが、論文を読み、質問紙調査の実施をとおして学んだことを精一杯発表していました。コロナ禍で対面式の調査ができず、オンライン調査に急遽変更することもあり大変でしたが、学生の皆さんはよく頑張っており、4年間の集大成としてふさわしい素晴らしい卒業研究でした。
卒業論文という大きな課題を乗り越えた皆さんの今後の活躍を期待しています。
学長から一言:コロナ禍の下、研究テーマも、研究方法も、卒論の発表の方法も、すべてに工夫を必要としましたねッ!そのことが、また学生の皆さんのまなびにもなった事でしょう!!!お疲れさま!