【国際経済学科】ブルガリア・ソフィア大学で講義を実施! ~ Part 2

【国際経済学科】ブルガリア・ソフィア大学で講義を実施! ~ Part 2

Erasmus+プログラムにより、ブルガリア共和国のソフィア大学教育学部で講義を行ってきました!

国際経済学科のブログ担当、藤本浩由です。私は11月2日~11日の10日間、Erasmus+(エラスムス・プラス)プログラムによる教員交流の一環として、ブルガリア共和国の首都ソフィアに滞在し、ソフィア大学教育学部で講義を行ってきました。今回はその続編をお届けします。(Part1はこちら

本学とソフィア大学は、毎年お互いの学生が交換留学していますが、今回は本学から半年の予定で留学している国際経済学科2年生の2人である宮本瑞樹さんと渡邊柚紀さんに会えました。私の講義に参加してくれた別の大学からの日本人留学生2人と一緒に、5人で食事をしてきました。

ソフィアのレストランにて。テーブルの手前側に座る二人が渡邊さん(左)と宮本さんです。

まず驚いたのは、4人ともソフィアに来て1ヶ月程度にもかかわらず、ここでの生活に相当馴染んでいることです。留学生が多くいる寮に住んでおり、相談できる先輩方がいることも大きいようでしたが、もう1年くらい住んでいるかのような馴染みっぷりで拍子抜けしました。勉強については大変そうでしたが、英語で行われる授業には対応できている様子です。大学卒業後の希望進路や今回の留学の位置づけなど、4人それぞれが考え抜いている様子で、大変頼もしく思いました。今回、彼らが受講している講義を見る機会は持てず残念でしたが、たくましく生活している姿を見て安心しました。

また、別の日にはソフィア大学の日本学科(Japanese Studies Department)にお邪魔した際、今年度の前期まで本学の人間文化学部に留学していたイヴァノヴァ・クリスティーナ(Ivanova Kristina)さんに会うことができました。彼女とは本学で話す機会がなく、今回初めてお話しましたが、大変流暢な日本語による対応で驚きました。それもそのはず、留学中の今春には福山市で開催された「外国人留学生による日本語スピーチコンテスト」で優秀賞に輝いています。本学のボランティア・クラブに所属し、さまざまな活動を通じて思い出がたくさんできたことや、できればまた福山や尾道に行きたい!という思いを聞かせてくれました。現在は日本学科でアシスタントをされているそうですが、近く進学し、将来は日本語の教師になるのだそうです。短い時間でしたが、話していて間違いなく素晴らしい先生になる人材だと感じました。

日本学科の皆さんと。右から二人目が学科長の Gergana Petkova 先生、中央がIvanova Kristinaさん、そのとなりがStella Zhivkova 先生です。

日本学科には、私の滞在期間最後の平日である金曜日の午後にお招きいただきました。日本学科は、ソフィア大学本館のある場所から電車で二駅程度の場所にあります。Erasmus+の講義実施が終了して肩の荷が下りた直後でしたので、気楽な気分でお邪魔したところ、学科長の Gergana Petkova 先生をはじめ、学科の先生方や学生の皆さんに歓待されて少し恐縮してしまいました。

今年の「日本資料専門家欧州協会年次大会」はソフィア大学で開催され、大成功だったそうです。

金曜日の午後は、通常の講義をする代わりに日本文化に関する「部活動」をされているのだそうで、今回は各部の学生さんたちが活動紹介を兼ねて私をサプライズで「おもてなし」してくださいました。

まずは「アニメ部」。このときは、日本のアニメDVDを部員みんなで鑑賞していました。日本のマンガ・アニメの海外での人気ぶりは有名ですし、実はちょっと「あ、イージーな部活だな」と思ってしまったのですが、話を聞くと想像より遥かに真剣に取り組んでいて、あるときなどはアメリカのCartoonはアニメと呼んでいいのか?というテーマでケンカ寸前の白熱議論が行われたのだそうです。

次に「茶道部」。部長さんがお茶を立てて振る舞ってくださいました。茶道なんて、日本でも真似事のようなものしか見たことがありません。彼は本格的な表千家の作法を披露してくださり、お茶受けのお菓子の選択まで気を使う気合の入りようでした。

続いて「書道部」。ここでは先輩部員が後輩に教えるというスタイルで、毛筆で漢字を書く練習をしていました。外国人用の習字の教科書を使ってみんなが静かに筆を動かしているのですが、よく見るとみんな半紙ではなく新聞紙に文字を書いています。半紙がもったいないということなのでしょうが、真剣に取り組むみんなの表情を見ていると、半紙くらいなら日本から送ってあげたくなりました。その中で、一人の学生が見せてくれた扇子に書かれた書の出来栄えは素人目にも素晴らしく、独学で学んだと聞いて大変驚きました(写真がないのが残念)。

書道部の様子。

そして「歌部」。この部では日本の歌をみんなで歌っているそうで、今回はいきものがかりの「SAKURA」を合唱してくれました。こちらも真剣な取り組み様で、きれいなハーモニーから長時間の練習が推測されました。なんでも来年5月に行われる文化祭のテーマが「花見」だそうで、その際に発表する曲として練習しているのだそうです。他にも「さくらさくら」の合唱を披露してくれました。

歌部の様子。SAKURAを歌っています。

最後に「作り部」。この部では、学生がさまざまなものを「作る」のだそうで、今回はきれいな模様の紙で作った折り鶴や和柄の小物を作っていました。単に作って楽しむだけでなく、文化祭等で販売し、活動費に充てているとのことでした。また文化祭で披露する演劇の舞台装飾も作り部が担当されるそうです。

これらの部活は授業ではありませんが、どの部も真剣に取り組んでおり、また活動を主導し後輩を指導している先輩学生の技量がとても高く、れっきとしたアクティブラーニングだなと感じました。

日本学科の学生はほぼ全員、一度は日本の大学に留学するのだそうです。多くの学生の日本語レベルが非常に高く、敬語をとても上手に使います。日本語を勉強する海外の学生はたくさんいますが、こちらの学生はあくまで日本の文化や歴史を学ぶことが目的であり、そのためかえって日本語の勉強への真剣さが増しているように感じました。

各部を案内してくださった Stella Zhivkova 先生に、ブルガリアに来てからというもの会う人全員に優しく接していただいているという話をしたところ、日本人とブルガリア人の共通点の一つにホスピタリティ、つまりおもてなしの心があるのではないかと話してくださいました。ソフィアに着いてからずっと知人が誰もいない街なのに、ずっと居心地がよくストレスを感じなかったのは、こういったことを中心に日本との共通点が意外とあるからなのかもしれません。ブルガリアに留学する日本人学生があっさり馴染んでしまうのも納得です。

日本学科の皆さん、本当にありがとうございました。

ところで、歌部の学生の一人の話なのですが、彼女が日本に留学した際のホストファミリーのお母さんが琴の先生で、滞在中に琴を教えていただいたのだそうです。ブルガリアに琴があれば、この学生が他の学生に琴の弾き方を教えてあげられるのに…ということで、中古でいいので琴を手に入れられないかと先生が日本に問い合わせておられるそうです。お願いされたわけではありませんが、琴は福山の名産ですので、もしも使われていない中古の琴などがあれば、送って差し上げられないかと思案中です。妙案がございましたら、私にお知らせいただけないでしょうか?アドレスはこちら→ h_fujimoto@fukuyama-u.ac.jp

ブルガリアと日本の交流が長く続き、深まっていくことを願ってやみません。

 

学長から一言:Erasmus+プログラムによる藤本浩由講師のソフィア大学教育学部派遣は、とても実り豊かなものになりましたねッ!ソフィア大学の関係者を初めとするブルガリアの皆々様の“お・も・て・な・し”に、心から感謝!!!

 

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